遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

美術、アート

ルソー「馬を襲うジャガー」/プーシキン美術館展

「馬を襲うジャガー」 アンリ・ルソー 1910年 90×116cm プーシキン美術館展では、出口に近いところに展示されていた、もっとも現代に近い時代の作品が、アンリ・ルソーの「馬を襲うジャガー」。 アンリ・ルソー(1844 - 1910)の最晩年の作品である。 ルソーは…

モネもルソーも撮影OK/プーシキン美術館展

大阪市の国立国際美術館で開催中の「プーシキン美術館展――旅するフランス風景画」に行ってきました。(10月14日まで開催中) プーシキン美術館は、モスクワ出身の詩人アレクサンドル・プーシキンの生誕100年を祝して命名されたモスクワの美術館。収蔵品の数…

東大寺お水取り「花ごしらえ」

東大寺では、修二会(お水取り)の準備が始まったようで、堂内に飾るツバキの花をつくる「花ごしらえ」が行われていると、朝日新聞が写真と記事で伝えています。 以前、NHKの染色を特集した番組を見て知ったのですが、この椿は和紙を紅花(ベニバナ)で染め…

ゴッホの耳からヒマワリの種

26日の朝日新聞、タキイのサンリッチという種類のヒマワリの全面広告が目を引きました。 サンリッチは、背が高くなりすぎない、でも素晴らしい花付きのヒマワリのようです。 私は、庭に来る鳥たちのエサ用にヒマワリの種を買ったのですが、残量が多くて昨年…

ボタン/佐藤忠良

佐藤忠良作 「ボタン」 1967-69年 これは佐藤の代表作の一つで、マントのボタンを留めようとする少女の一瞬をブロンズにとどめている。高さは127㎝で、像のモデルは佐藤の娘で女優の佐藤オリエだと言われている。 松尾貴史がリツイートしていたお方のツイッ…

大人のぬり絵と呉竹の筆ペン

今日の朝日の夕刊(関西版)一面にも取り上げられていた「大人の塗り絵」。 我が家の塗り絵グッズは以下のものです。 画像左(上下) ■世界一周 ぬり絵の旅 around the world trip かわいい楽しいぬり絵ブック 同右(上下) ■呉竹 筆ペン 水性 ZIG クリーン…

メキシコの犬

今年の抱負は、悪化した健診データの改善。そのために、もっと活動的に暮らそうと思う。 年末から年始にかけて、将棋の藤井聡太四段の対局(王座戦予選)や、彼のこの1年を追いかけたドキュメンタリー(NHK)や、デビュー前の奨励会時代からから追いかけたド…

鳶・鴉図(とびからすず)/与謝蕪村

「鳶・鴉図(とびからすず)」 与謝蕪村 北村美術館蔵(京都市) 風雨がたたきつけるように襲ってくるなか、じっと嵐が通りすぎるのを待つ鳶(とび)。 暗闇をしんしんと舞い落ちる雪の中、身を寄せ合ってじっと朝を待つのは二羽の鴉(からす)。 晴れた大空…

【国宝展】土偶・縄文のビーナス・縄文の女神・仮面の女神

土偶(どぐう)と埴輪(はにわ)の違い。 埴輪は、3世紀後半から6世紀後半にかけて造られ、前方後円墳などに並べられた素焼きの置物。 一方、土偶は紀元前数千年ころの縄文時代に造られた土製品。新石器時代の農耕社会において、乳房や臀部を誇張した女性像…

【国宝展】燕子花図/尾形光琳

東京南青山の根津美術館では、尾形光琳(1658-1716)の「燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ)」を展示するのが、毎年まさに燕子花のシーズンである4月半ばから5月半ばまでの期間です。いつかはそのシーズンに根津美術館を訪れたいと思っていました。 しかし…

【国宝展】夜色楼台図/与謝蕪村

京都の国宝展で、与謝蕪村(1716-1784)の「夜色楼台図(やしょくろうだいず)」(18世紀)の実物を初めて鑑賞。 この展覧会の最終ステージでようやく登場した、私の中では真打登場といった感がある。感激。 もっと長くて大きい作品だと思っていたら、意外と…

【国宝展】松林図屏風/長谷川等伯

京都国立博物館(京博)での「国宝展」、今回ご紹介は長谷川等伯(1539-1610)の「松林図屏風」(16世紀、東京国立博物館蔵)。 私は7年ぶり2回目の本作とのご対面である。本展覧会の作品とはもう何回も会うことはないと思う。まさに「芸術は長く人生は短し…

【国宝展】インスタ映えする頼朝像1万円札

京都国立博物館で開催中の国宝展。2度目の訪問。 平日の金曜日の15時頃待ち時間0分で入館。混雑度合いは5段階で3。展示終了が近い国宝「金印」は40分の行列だったので涙の棄権。 今回ご紹介は、だれもが知る名作「源頼朝像」。 作品名の前に「伝」が付き、「…

運慶が彫り出す筒香や清宮

東京国立博物館(東博)では「運慶展」が11月26日まで開催中。 残念ながら私は東博には行けませんが、お近くの方はぜひ足をお運びください。 ところで、画像の素晴らしい立像は高野山の「八大童子立像」で、運慶展には国宝の六体が展示されているようです。 …

【国宝展】風神雷神図屏風/俵屋宗達

建仁寺に伝わり、今は京都国立博物館(京博)に寄託されている国宝、俵屋宗達の「風神雷神図屏風」(制作17世紀前半)。 現在京博で開催中の国宝展の目玉の一つがこの作品。 私はこの作品とは、3回目のご対面になる。 LEDライトの進歩か、室内の照明はさほど…

【国宝展】秋冬山水図/雪舟

雪舟は、備中(今の岡山)に生まれ京都の相国寺(しょうこくじ)で絵の修業をしたのち、明(中国)に渡り技法を磨き自らの芸術を完成させた。 私が生涯で最初に画家として認識した雪舟。それは、かなり幼い頃に母親から聞いた「涙で描いた鼠」の世にも有名な…

国宝展(京都国立博物館)に行きました

6日金曜日に「国宝展」(京都国立博物館)に行ってきました。前売り券は3枚買っていますので、今回が第1回目です。雨だったので人出は少なく、13時に会場に到着しましたが、すいすいと入場できました。 強い風雨の中、大阪からやって来た甲斐がありました。…

国宝展がはじまりました/京都国立博物館

地上では衆議院選挙を前に、醜い政治家たちが暗闘を繰り広げていますが、空にはぽっかり中秋の名月が浮かび(大阪では何とか見ることができました)美しい秋が始まりました。 地上がすべて醜いのかと言うとそうでもなく、京博(京都国立博物館)では、今週か…

週刊文春の表紙を描いて40年/和田誠

山藤章二(80)が週刊朝日のブラックアングルを一時休止していたが、今週号から4か月ぶりに連載を再開した。休載になるのかと心配だったので、一安心。このブラックアングルは1970年代半ばから断続的に掲載され、1976年から本連載になり今に続いている。 一…

アイ・ウェイウェイのインスタレーション

上の画像は、中国の現代アーチスト、アイ・ウェイウェイがフィレンツェのストロッツィ宮の壁面に表現した“REFRAME”と題された2016年の作品。 はじめは何だかわからない赤い飾りつけだったのですが、規則正しく並んだ赤い救命ボートが実に美しく建物とマッチ…

世界一楽しい美術教室/びじゅチューン

星野源のNHK生放送番組「おげんさんといっしょ」。楽しく見てしまいました。MCの星野やゲストの細野晴臣や高畑充希などの出演者、生放送のぎこちなさが1時間解けることなくて、それでもなぜかほんわかムードでとても新鮮でした。スタジオのセットも力が入っ…

醍醐寺/京都散歩

醍醐寺は真言宗醍醐派の本山で、創建は864年(貞観16年)です。 金堂や五重塔をはじめ、数多くの国宝と重要文化財を配置された200万坪以上の広大な境内は、世界(文化)遺産、美術館、博物館、植物園を兼ね備えた寺院といえましょう。 上の画像は、国宝の「…

改組新第3回日展/大阪市美術館

日展(日本美術展覧会)は、文展からの流れをくむ公募展で、文部省による創設は1907年にまでさかのぼる。 この文展から枝分かれしたのが二科展(1914年)で、院展も1914年に再興という形で文展と袂を分かった。 日展は、「日本画」、「西洋画」、「彫刻」、…

うさこちゃんありがとう

「ミッフィー」作者、ディック・ブルーナさん死去 世界で愛された『ちいさなうさこちゃん』 http://www.huffingtonpost.jp/2017/02/17/miffy_n_14829868.html ディック・ブルーナさんと「うさこちゃん(ミッフィー)」の功績については、書くまでもありませ…

芸術も人生も長し/ようこそ!横尾温泉郷

「芸術は長く人生は短し」と言いますが、芸術家は長生きするような気がします。 結核で夭折したお方もいましたが、一般的に長生きする人が多いと感じます。 横尾忠則センセイが80歳でまだお元気で活動されているのを見るにつけ、そう思うわけであります。草…

ようこそ!横尾温泉郷/横尾忠則現代美術館

27日の金曜日は、今年初めての定例ランチ会。 その前に、良いお天気だったので、朝のうちに阪急電車で神戸まで行き、横尾忠則現代美術館まで足を運ぶ。 生きているうちに自分の名前が付いた美術館を造ってもらえるのがすごい、横尾忠則。 作家自身が寄贈した…

おめでとうございます2017

あけましておめでとうございます みなさまのご健勝とご多幸をお祈りいたします 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます 2017年 元旦

元興寺の御朱印

テレビを見ながら静かな年の暮れ。 「渥美清 20年? んっ、渥美清亡くなってどれくらい、20年?」 「そんなに経たないやろ?」 ぐぐってみたら1996年に亡くなっていた。この人の俳句、見事だなあ。 一か月ほど前、庭掃除をしていたら「ナナフシ」を発見。木…

神々しい汝窯の青磁水仙盆

大阪中之島の東洋陶磁美術館に行ってきました。3回目の訪問になります。 現在、台北の國立故宮博物院からやってきた「汝窯青磁水仙盆」が展示されています。 北宋時代(11世紀末~12世紀はじめ)に宮窯だった汝窯(じょよう)で焼かれた磁器は、現存するもの…

金魚/深堀隆介

食べない魚はリリース(水に返す)し、死んでしまった魚はありがたくいただきましょう。ということで、スペースワールドのスケート場で氷漬けになった魚を見て、深堀隆介の金魚を思い出した。 画像のたらいを泳ぐ金魚は、本物ではなく描かれた金魚である。 …