遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

日本映画

「ゴジラ-1.0」はわずか15億円で製作され、大ヒット上映中であります!

アカデミー賞の「視覚効果賞」に日本映画がノミネートされた「ゴジラ-1.0」。 この映画の製作費が15億円だと聞いて驚きました。 こういった映画の製作費の相場がよく分からないのですが、下に貼り付けた6分間のYoutubeによるメイキングを見ると、コストカッ…

祝 宮崎駿「君たちはどう生きるか」米ゴールデングローブ賞のアニメ賞に輝く

2024年は年頭から、大変な自然災害や航空機事故、政治家の逮捕や大物芸人の失墜などが続きましたが、海の向こうからうれしいニュースも飛び込んできました。 今回で81回目となるゴールデングローブ賞で宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が日本初のアニメ…

小津安二郎「東京物語」がNHK-BSで放送されます

昨日は月一の定例ランチでした。 私より一か月早く70歳になったランチ仲間に「古希、おめでとう」と祝福されました。 食後にカフェでお茶を飲みながらの長い四方山話の中で、私が「この歳になって、小津の「東京物語」のことを思い出すと、じわっと涙がにじ…

Netflixでドキュメンタリー映画「警視庁捜査一課 ルーシー・ブラックマン事件」を見ました

Netflixで「警視庁捜査一課 ルーシー・ブラックマン事件」を見ました。 このドキュメンタリーは山本兵衛監督で製作され、Netflixで7月26日から独占配信されています。 2000年に来日中の英国人ルーシー・ブラックマンさんが行方不明になった事件。ルーシーさ…

想田和弘監督「選挙」&「選挙2」/自民党向きでない山さん観察映画

数日前から体調が悪くて(原因は判明している)、ウォーキングも自粛して安静状態の日々。 そんな中、想田和弘監督のドキュメンタリー映画がPrimeVideoで見られることを知り、立て続けに「選挙」と「選挙2」を鑑賞。 2005年、当時40歳でコイン商を営む山内…

平野啓一郎著「ある男」を読みました(日本アカデミー賞受賞記念・再掲載)

平野啓一郎の小説「ある男」のご紹介。 弁護士の城戸は、宮崎に住むかつての依頼人からまた仕事を頼まれる。 依頼人は里枝という女性で、城戸はこの女性の離婚時のトラブルを解決していた。今回の依頼は、里枝が再婚し事故で亡くなった夫「大祐」についての…

成人、おめでとうございます 「本を読んで下さい」

民法改正により2022年4月1日より成年年齢が18歳に引き下げられましたので、成人になった人の数はいつもの3倍もいます。 しかし、いわゆる成人式は20歳の成人(と同一学年)に招待状が届くのでしょうね。「はたちのつどい」と名称変更して成人式が行われるケ…

永久保存版・内外の有名人194人が選んだ「私の好きな黒澤明作品」

U-NEXTで、黒澤明作品(29作品)が見放題で配信されていることを初めて知りました。 かつて、大枚はたいて何本かの黒澤映画のDVDを買いましたが、こんな時代が来るとは夢にも思いませんでした。 ということでずいぶん前の記事を再編集してここにお届けしたい…

「愛の不時着」を見て黒澤映画を想いノスタルジックになりました

「梨泰院クラス」「ムーブ・トゥ・ヘブン」「サバイバー:60日間の大統領」「ヴィンチェンツォ」「イカゲーム」「マイネーム:偽りと復讐」と韓国ドラマを見てきた私、ついに「愛の不時着」(全16話)を見ました。 直前に見た「マイネーム:偽りと復讐」が、ユ…

清々しい映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」

立憲民主党所属の衆議院議員小川淳也。東大法学部を卒業して総務省(当時は自治省)に入省した経歴を持つ小川は、現在49歳で出身地と選挙区は香川県高松市。家賃4万7千円の借家で4人家族暮らし。 その小川を追いかけたドキュメンタリー映画が「なぜ君は総理…

BBCが選んだ「最も偉大な非英語圏映画 TOP100」

今読んでいるイギリスのミステリーに出てきたのが「ブロンプトン墓地」。小説によると、ロンドンにある七大墓地のひとつなのだだそうだ。 で、その七大墓地の英語フリガナに「マグニフィセント・セブン」と振ってあり、映画「荒野の七人」の原題も「マグニフ…

映画「i-新聞記者ドキュメント-」 が面白かった

i-新聞記者ドキュメント- netflixに最近登場したばかりの、森達也監督の「i-新聞記者ドキュメント-」を観賞。面白かった、おすすめの映画である。 森は、2016年に作曲家の佐村河内守に密着した「FAKE」を制作、この作品も観たが、それ以来の監督作品となる。…

外出自粛のGWにお勧めドキュメンタリー映画4本

イン・ヴォーグ:ザ・エディターズ・アイ 60分 2012年ファション界随一の影響力を誇る「ヴォーグ」の紹介を通して、この雑誌の120周年記念を祝う。時代を代表する編集者たちの視点から語られたこの映画は、ファッション、フォトグラフィー、フェミニズムの一…

羊たちの沈黙・カッコーの巣の上で・アメリカ映画ベスト100/AFI

いま孫(3歳と1歳)たちは「となりのトトロ」に夢中で、もう何度も観ているようです。娘たちが幼いころも同じ現象でしたから、血は争えないなと思っています。というより作品「トトロ」が偉大なんでしょうけど。 一方、我が家では、新型コロナの非常事態宣言…

日本アカデミー賞は「新聞記者」が驚愕の受賞!

第43回日本アカデミー賞の授賞式がおこなわれ,安倍政権の闇を描いた映画「新聞記者」が最優秀作品賞に輝いた。 また、松坂桃李が主演男優賞を、韓国の女優シム・ウンギョンが主演女優賞を受賞した。 日本アカデミー協会の会員は、安倍政権に忖度しなかった。…

昭和の名作映画を彷彿とさせる奥田英朗の「罪の轍」   

罪の轍 奥田 英朗 (著) 新潮社 1963年(昭和38年)に東京で起きた「吉展ちゃん誘拐事件」をもとに創作された社会派ミステリー・警察小説「罪の轍 (つみのわだち)」のご紹介。 翌年にオリンピックを控えた昭和38年の東京が事件の舞台。 北海道の礼文島に育…

いまさらですが、おすすめの映画でした/是枝裕和の「万引き家族」

3連休の中日ですが、お元気ですか? 昨日は絵画教室だったせいか気疲れして、ウォーキングはさぼってしまいました。 早く寝るつもりが、AmazonPrimeVideoでまだ未見の「万引き家族」を観てしまいました。 主演の安藤サクラは、肩の力が抜けた自然な演技で(…

羅生門/京マチ子

京マチ子さんの代表作をもう一作、「羅生門」(監督・黒澤明)のレビューを再掲する。 黒澤明の「羅生門」がお気に入りの有名人。 ( )内は職業、映画監督は(D)。 手塚治虫、サム・ペキンパー(D)、藤子不二雄A、ジョン・ヒューストン(D)、スパイク・…

雨月物語/京マチ子

日本の代表的女優京マチ子さんが亡くなられた。 彼女の代表作ともいうべき「雨月物語」(監督・溝口健二)のレビューを再掲する。 謹んでご冥福をお祈りする。 雨月物語 監督: 溝口健二 製作: 永田雅一 原作: 上田秋成 脚本: 川口松太郎 依田義賢 撮影:…

この世界の片隅に/片渕須直

この世界の片隅に 監督・脚本:片渕須直 原作:こうの史代 『この世界の片隅に』 出演者(声):のん 主題歌:コトリンゴ「みぎてのうた」 製作:2016年 1944年に広島から呉に嫁いだ主人公すずの半生を描いた、長編アニメーション「この世界の片隅に」のご紹…

希望不散(希望は消えない)/「万引き家族」

上の映画ポスターは、是枝裕和の「万引き家族」の宣伝ポスターで、黄海という優れたアーティスト・ポスターデザイナーの手になるもの。 それによると、「万引き家族」は、中国で8月3日から全国上映が始まるようだ。 中国語のタイトルは「小偷家族」というら…

選挙2/想田和弘

想田和弘の観察映画「選挙2」(2013年)のご紹介。 「選挙」(2007年)で、川崎市宮前区の市会議員選挙に自民党から立候補した山さんこと山内和彦は、5年後の2011年4月、再び同じ選挙区で市会議員に立候補した。 時は、3.11東日本大震災直後のことだった。 …

想田和弘の観察映画「選挙」

日本映画専門チャンネルで放送された、想田和弘監督のドキュメンタリー映画「選挙」(2007年)を録画して鑑賞。 かつて、まだ想田和弘の存在を全く認識していないころ、おそらく同じチャンネルでこの「選挙」の途中部分をほんの10分ほど断片的に見たことがあ…

是枝裕和の3本のドキュメンタリー

カンヌ映画祭でパルムドールを獲得した是枝裕和監督の「万引き家族」が全国ロードショー公開された。 それにちなんで、日本映画専門チャンネルで、是枝裕和のドキュメンタリーが放送された。 それらは、是枝がテレビマンユニオンにいた時代にフジテレビ用に…

祝パルムドール「万引き家族」是枝裕和

是枝監督の「万引き家族」がパルムドール カンヌ映画祭 https://digital.asahi.com/articles/ASL5N04X1L5MUCLV00J.html たまにはグッドニュースもあるもので、是枝監督がついにカンヌでパルムドールを取りました。 苦節何年か、審査員賞を獲得したこともある…

火垂るの墓/高畑勲

高畑勲監督が逝去された。 「金曜ロードSHOW!」(2018.4.13 よる9時~10時54分)は、予定を変更して 「火垂るの墓」を放送するようです。 彼の監督作品「火垂るの墓」を見て、人類が流した涙は何だったのでしょうか。 下にご紹介するのは、キネ旬の映画感想…

「BRUTUS」~いまさら観てないとは言えない映画

今発売中の「BRUTUS」No,859~いまさら観てないとは言えない映画~。 本誌の表紙でイラストレーターの渋谷直角が、「僕は黒澤明監督の映画を実は1本も観てません」と告白。 彼は42歳らしいのだが、その年代で1本も観ていないのは仕方ないかもしれない。 渋谷…

ゆきゆきて、神軍/原一男

映画「ゆきゆきて、神軍」は、公開からちょうど30年。渋谷のUPLINKではきょう8月12日から公開30年記念上映会が行われる。 寺脇研、茂木健一郎、春日太一、渡辺えり、井上達夫などが日替わりで原一男監督とのトークショーに登壇予定。http://www.uplink.co.jp…

第90回キネマ旬報ベストテン

2016年公開の映画を対象とした第90回キネマ旬報ベストテンが10日以下の通り発表されました。 【日本映画】 (1)この世界の片隅に (2)シン・ゴジラ (3)淵に立つ (4)ディストラクション・ベイビーズ (5)永い言い訳 (6)リップヴァンウィ…

すごいらしい「この世界の片隅に」

映画「この世界の片隅に」、観たい。何がすごいのだろう? 11月に60余りの小規模映画館で上映が始まった「この世界の片隅に」は、195館の上映に拡大されてきた。 監督は片渕須直(↓画像左)、原作がこうの史代(二人とも存じ上げない)。主演の声を務めるの…