遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

改組新第3回日展/大阪市美術館

日展日本美術展覧会)は、文展からの流れをくむ公募展で、文部省による創設は1907年にまでさかのぼる。

この文展から枝分かれしたのが二科展(1914年)で、院展も1914年に再興という形で文展と袂を分かった。

日展は、「日本画」、「西洋画」、「彫刻」、「美術工芸(染色・漆芸・陶芸・彫金など)」、「書」の5部門があり、一度に多くの作品が展示される。(大阪では588点が展示されていた。)

日展では数年前に不祥事があり、改組新日展として、今回が3回目を迎えた。

かつては、日展に行けば東山魁夷高山辰雄院展に行けば平山郁夫の作品に会えると、出かけて行った時代があった。

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上記画像は、日本画部門の文部科学大臣賞を受賞した、森脇正人の「虚寂」。

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もう一点は、洋画部門の文科大臣賞受賞の、難波滋「逍遙・十六夜」、という作品。

モチーフも完成作品も、日本画とか洋画とかの区別がつかない。それを上記作品が現していよう。いまや何をどう描こうが自由で、画材が違うだけの世界なのだろう。

上記のような技術も感性も必要とされるような作品は描くことはできないが、人さまに作品を見せることのない、塗り絵の域を出ない作品しか描けないしろうと画家としては、公募展の多くの作品は楽しくて、さらにとても良いヒントになる。

ただ無心に、描けばいいように思えてくるからありがたいのである。


特別展 改組 新 第3回 日展
■会期=2017年2月18日(土)~3月20日(月・祝)
■休館日= 月曜日(3月20日は開館)
※ただし、災害などにより臨時で休館となる場合があります。
■開館時間=午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)