遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

【国宝展】風神雷神図屏風/俵屋宗達

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建仁寺に伝わり、今は京都国立博物館(京博)に寄託されている国宝、俵屋宗達の「風神雷神図屏風」(制作17世紀前半)。

現在京博で開催中の国宝展の目玉の一つがこの作品。

私はこの作品とは、3回目のご対面になる。

LEDライトの進歩か、室内の照明はさほど抑えていなくて一際燦然と輝く「風神雷神図屏風」であった。

「たらし込み」という技法で描かれた黒い雲に乗って、金箔の空間にジャンと現れた二人の神。

顔は嗤っている、「これからひと暴れしてやる」といういたずらっ子のような笑顔。

あとは画面に何もない、何もないけど、
  風が見える
  雷鳴が轟く。

二曲一双の両端の風神と雷神、その間の、ちょうど全体の半分のを占めるこの絶妙なる距離感、宇宙の如き広大な空間であった。

見学者の何人かが、その空間に吸い込まれるように消えた、きっと幻だったろうけど…。