遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

美術、アート

一宮散歩/三岸節子記念美術館

いつか訪れたいと思っていた一宮の「三岸節子記念美術館」に行ってきました。当美術館は節子の生家を尾西市(当時)が買い戻して1998年にオープンしました。 三岸節子は1905年に後の尾西市、現一宮市に生まれ1999年に亡くなりました。生涯現役の画家でありま…

豊田散歩/豊田市美術館・作品編

オイゲニア・プリマフェージの肖像 グスタフ・クリムト 1913/14年 油彩 140.0×85.0 豊田市美術館の収蔵作品は立派なものが多くて驚きました。 15年ほど前、仕事の一環で日本の自治体の財政状態を調べたことがあったのですが、愛知県の各都市(名古屋以外の自…

「人生は戦いなり(黄金の騎士)」クリムト、ピカソなど愛知県美術館の名作コレクション

「人生は戦いなり(黄金の騎士)「」クリムト 1903年作 油彩・テンペラ・金箔、画布 寸法㎝:100.0×100.0 名古屋に滞在中に訪れたのが愛知県美術館。 愛知県の美術館を検索していたら名古屋テレビ塔のそばにある当美術館を発見。しかも、洋の東西を問わない…

藤牧義夫の東京を描いた90年前の版画「鐵」「給油所」「白髭橋」「赤陽」

上の画像は、藤牧義夫の「鐵」というタイトルの木版画です。 1933年の作品で、東京国立近代美術館に所蔵されているものは、26.3㎝×30.0㎝の大きさのようです。 モノクロームの小品ですが、ダイナミックな線と構図で、昭和初年の鉄に覆われ始めた東京を、鉄の…

万博を中止して葛飾北斎の「富嶽三十六景」を買い戻せ!

「美術手帖」オンラインによりますと、葛飾北斎の「富嶽三十六景」が20年ぶりにクリスティーズのオークションに出品されるそうです。 アメリカ西海岸のコレクターからの出品だそうで、予想落札価格は300万ドル〜500万ドル(約4億5000万円〜7億5000万円)との…

キュートな招き猫が、呪われた姿に改ざんされた問題

吉田朗 「渋谷猫張り子」 2020年制作 H130 W91.8 D91.5cm ガラス繊維強化プラスチック、ステンレススチール補強、 真鍮製放水ノズル、ウレタン塗装、PVC フィルム 上の作品は、吉田朗という作家の「渋谷猫張り子」。高さが130㎝もあって、招き猫をモチーフと…

あおもり犬がなぜか大阪に⁈ 大阪カジノ関連動画に奈良美智・村上隆作品を無断流用。

屋外に展示された奈良美智の高さ8.5メートルの立体作品「あおもり犬」(青森県立美術館) 大阪府・市が提供するカジノ・IRのイメージ図や動画に、世界的美術家の奈良美智や村上隆の作品と酷似したデザインが使用されていることが、奈良自身のツイートで明ら…

ミケランジェロの至宝「ピエタ」と「ダビデ」

ミケランジェロのダビデ像を教材に使ったとして、米国フロリダ州の校長が辞職に追い込まれたそうです。3人の保護者が「子どもがポルノを見せられた」と苦情を寄せたことが辞任劇の発端だったそうです。 ウクライナ侵攻をしたロシアがけしからんので、あるい…

悪質なギャラリーストーカーや芸大おじさんはスマホで撃退しましょう

今年度の美大や芸大の卒業制作展は2月中旬で一通り終了したようです。 大阪では、「大阪芸術大学グループ 卒業制作選抜展2023」が2月24日から3月5日まで開催されるようです。2/27(月)は休館日。 会場は、あべのハルカス24Fにある大阪芸術大学スカイキャン…

成人、おめでとうございます 「本を読んで下さい」

民法改正により2022年4月1日より成年年齢が18歳に引き下げられましたので、成人になった人の数はいつもの3倍もいます。 しかし、いわゆる成人式は20歳の成人(と同一学年)に招待状が届くのでしょうね。「はたちのつどい」と名称変更して成人式が行われるケ…

ぴょんと飛び越えるのか、ささーっと逃げるのか

2023年の年賀状用に、11月ころからネットで集めていたウサチャンたちをご紹介します。 参考になったイラストもそうでなかったものも、ここで日の目を見ることになります。これらはPinterest(ピンタレスト)に保存しておいたのですが、世界中の人たちがこれ…

NY・マンハッタンの新駅に草間彌生とキキ・スミスの壁画が常設展示されます

ニューヨークとロングアイランドを結ぶロングアイランド鉄道(LIRR)の新駅「グランド・セントラル・マディソン」が今年の12月に開業されるそうです。 これは歴史的なプロジェクトだったそうで、新駅は2フロアあり、8つの線路と4つのホーム、25の店舗で構成…

「ひまわり」にトマトスープはNG/地球も芸術も永遠に不滅でありますように

英ロンドンのナショナル・ギャラリーで、化石燃料使用に反対する若者がゴッホの「ひまわり」(1888年)にスープをかける出来事がありました。 若者は、環境活動団体「ジャスト・ストップ・オイル」に所属する女性で、缶入りのトマトスープをゴッホの絵にぶち…

鳥取の新美術館が3億円でウォーホルの作品を購入しましたが...

鳥取県が2025年に倉吉でオープンする県立美術館の目玉作品として購入したアンディ・ウォーホルの作品が物議をかもしているようです。 県が購入したのは木製の立体作品「ブリロ・ボックス」(上の画像)。この作品5点を計約3億円で購入したそうです。 「ブリ…

某市の美術公募展におうかがいしました

久しぶりのランチに梅田に行く前にちょっと寄り道。 とある市の美術公募展の入選作品を見に行きました。作品の撮影は可能だということで雰囲気の伝わるスナップ写真をご紹介します。 私のお目当ては洋画部門でしたが、なんでも、展示会場がワクチン接種会場…

「今日完全に服装ミスった、肌寒いわ〜」と愉しい『受胎告知』

サイゼリアには名画か掲げられているそうですが、上の名画を見てツイートをした方がいて話題になっています。 ◆ありま 重版決定! @arimama_umaumaサイゼで見た絵のタイトルが知りたい。「今日完全に服装ミスった、肌寒いわ〜カーディガンほしいわ〜」って話…

Youtube でも見られる「ゲルハルト・リヒター展」

Youtubeの「ポリタスTV」で東京国立近代美術館で現在開催中(10月2日まで)の「ゲルハルト・リヒター展」を紹介していました。 ゲルハルト・リヒター(Gerhard Richter, 1932年2月9日 - )は、ドイツの画家で、彼を知ったのはわりと最近で、コロナ禍のなか…

快適空間「通いたくなるミュージアム」

今発売中のBRUTUS(ブルータス) 2022年 8月1日号 No.966の特集は [通いたくなるミュージアム]です。 私はネットマガジンで少し見ましたが、全国の博物館や美術館の情報が載せられていて、まさに「通いたくなるミュージアム」が見つけられると思います。 40年…

アンディ・ウォーホルの「ショット・セージブルー・マリリン」

上は先日史上最高額(230億円)で落札された、アンディ・ウォーホルの「ショット・セージブルー・マリリン」という作品。 モデルはマリリン・モンロー(1926 - 1962)で、彼女が亡くなった直後に書かれた作品です。マリリンの写真をもとに色違いバージョンな…

藝大・美大に合格された皆さま おめでとうございます

今年度 藝大合格者の石こうデッサン Twitterのタイムライン(TL)に、「東京芸術大学・美術学部・絵画科・油画専攻に合格しました」というのが流れてきました。(その方のデッサンが上の画像) すごい!と思わずうなってしまいました。3月15日に合格発表があ…

日本の至宝と呼べるコレクションー大阪中之島美術館 開館記念展が開催されます

大阪中之島美術館がようやくオープンします。 大阪市所蔵の6000点のコレクションのために、待たれていた美術館建設は、計画から40年を経て来月オープンを迎えます。 開館記念の展覧会が、「2022年2⽉2⽇(⽔)– 3⽉21⽇(⽉・祝)」の帰還で開催されます。 …

大阪市中之島の至宝・図書館、中央公会堂、バラ園、東洋陶磁美術館

上の瀟洒な内観は、大阪府立中之島図書館で、どなたかがTwitterでアップされていました。 この図書館の開館は1904年だそうで、ネオ・バロック様式の壮麗な外観もみごとな建築物です。 この建物のお隣の、1913年に建てられた大阪市中央公会堂も、荘厳なたたず…

寅・トラ(2022年の干支)のイラスト集

来年の干支の寅(トラ)のイラストをネットで集め出したのが2か月ほど前。 筆まめで年賀状の文面を作るためにイラストを集めるのですが、その文面が完成したのが今です。(宛先も印刷できました!) 集めたイラストをそのまま借用すればいいものを、そのイラ…

全山紅葉/東山魁夷の「秋翳(しゅうえい)」

本日ご紹介する日本画は、東山魁夷(1908-1999)の「秋翳(しゅうえい)」(1958年、東京国立近代美術館蔵)です。 先日秋のスナップ写真を投稿しましたが、そこでかつて記事にしたことのあるこの一枚を思い出しました。 山頂だけをクローズアップにした燃え…

60年前の構想が実現してパリの凱旋門を梱包してみました

YouTubeで街の様子をライブで放送しているのをテレビで流していたら、パリの凱旋門に巨大な布で覆いがされていました。 何かの工事か化粧直しが始まったのかと一瞬思ったのですが、足場が組まれていないようでしたので、ひょうっとしたら梱包がお得意の芸術…

60年間もスマートなままの不二家のFマークとデザイナーレイモンド・ローウィ

先だって、将棋の叡王になった藤井聡太三冠が叡王戦のスポンサー(藤井自身のスポンサーでもある)である不二家のマークをバックに記者会見をしていましたが、そのマークが上のものです。 1961年にフランスのレイモンド・ローウィ(1893-1986)がデザインし…

地下鉄内で見知らぬ人を描き感謝感激されるユーチューバー

ニューヨークの地下鉄車内で、乗客の似顔絵を描くYoutberの動画が私へのおすすめ動画にあり、偶然に見ることになりました。 向かいに座った乗客のほとんどがスマホを見たり本を読んだりしてるので、うつむき顔の絵が仕上がるのですが、完成作品を本人にプレ…

街角のアートギャラリーのリアル動画がなごみます

YouTubeに、街角の展覧会会場内をただただ歩きながら録画して、リアルな会場(作品とざわめき)を紹介してくれるチャンネルがいくつかあります。 街角の歩道を向いた一枚の狭いドアを抜けると、広い会場がその先にあって、多くの人で込み合っています。その…

伊東若冲の作品がついに国宝に指定されました

伊東若冲の作品がついに国宝に指定されました。 《今回、国宝に指定するよう答申されたのは、かつて皇室が所有し、現在は三の丸尚蔵館が収蔵する5件で、高階隆兼《絹本著色春日権現験記絵》(二十巻)、紙本著色蒙古襲来絵詞(二巻)、狩野永徳《唐獅子図》…

紫陽花郭公図(あじさいほととぎす ず)/与謝蕪村

紫陽花郭公図 与謝蕪村 作 俳句と文人画と書と篆刻を一人でできてしまう天才、 与謝蕪村。 アジサイが見上げるとホトトギスが往く。 のどかな梅雨時の風物詩的な俳画とは裏腹に、 激しい情念を感じる俳句のギャップに、 老いて京都の芸者と恋に落ちたという…