遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

#ブックレビュー

一穂ミチの「スモールワールズ」にじんわりと圧倒されました

スモールワールズ 一穂 ミチ (著) 講談社 一穂ミチの「スモールワールズ」は、直木賞の候補にもなったし、その前から多くの書評に取り上げられていて高い評価を受けていた。「小説現代」に連載された短編が本書として2021年4月に上梓されていて、ようやく年…

矢部太郎の「ぼくのお父さん」でデトックス

ぼくのお父さん 矢部太郎 (著) 新潮社 「大家さんと僕」「大家さんと僕 これから」に続く矢部太郎の「ぼくのお父さん」を読んだ。 芸人で漫画家の矢部太郎の父親は、絵本作家のやべみつのりだった。 太郎の家族は、両親と姉の4人家族。やさしくて少し変わり…

松田青子のエッセイ「自分で名付ける」を読みました◎

自分で名付ける 松田 青子 集英社 1年ほど前、2020年の「TIMESが選ぶ今年の必読書100冊」のなかに、日本の女性作家4人の作品が選ばれていて、その中のひとり松田青子(まつだ あおこ)という作家を初めて知る。 そして、先だっては「おばちゃんたちのいると…

「岸惠子自伝  卵を割らなければ、オムレツは食べられない」を読みました

岸惠子自伝 卵を割らなければ、オムレツは食べられない 岸 惠子 (著) 岩波書店 1932年生まれの岸惠子は私の母世代に属するお人で、草笛光子が高校の同級生だったそうで、ハリウッドで言えばエリザベス・テイラーも同年生まれである。ちなみに、マリリン・モ…

「考えて、考えて、考える」藤井聡太と丹羽宇一郎の対談本を読みました

考えて、考えて、考える 藤井 聡太、丹羽 宇一郎 講談社 19歳の藤井聡太と82歳の丹羽宇一郎の対談が「考えて、考えて、考える」という本になった。 丹羽は、藤井と同じ愛知県出身で、伊藤忠の社長・会長を歴任し、民間から初めて中国大使になったお方。その…

直木賞山本賞ダブル受賞・佐藤究の「テスカトリポカ」を読みました

テスカトリポカ 佐藤 究 (著) KADOKAWA 今回は、第34回山本周五郎賞と第165回(2021年上半期)直木賞をダブル受賞した作品、佐藤究(きわむ)の「テスカトリポカ」のご紹介。 山本賞は1988年創設で直木賞は1935年創設のエンターテイメント小説の大きな登竜門…

さわやかで柔らかくて鮮やかな松家仁之の「泡」を読みました 

泡 松家 仁之 (著) 集英社 今年の春以降、新聞や週刊誌の書評に、待ってましたとばかりにこの作家の新作「泡(あわ)」が取り上げられていた。初めて知った作家の小説を半ば興味本位で読んでみて、結果、本年の私的ベスト3の一つに確定した。 主人公は東京に…

今週 書評で取り上げられた本(10/11~10/17 週刊10誌&朝日新聞)全105冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。今が旬の逸品といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 今週の書評本(◆掲載された媒体→タイトル・著者・出版社・税込価格) ◆週刊朝日: 10/22 号 6 冊 戦争…

今週 書評で取り上げられた本(10/4~10/10 週刊10誌&朝日新聞+ダ・ヴィンチ)全106冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。今が旬の逸品といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 今週の書評本(◆掲載された媒体→タイトル・著者・出版社・税込価格) ◆週刊朝日: 10/15 号 6 冊 心は…

今週 書評で取り上げられた本(9/27~10/3 週刊10誌&朝日新聞)全113冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。今が旬の逸品といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 今週の書評本(◆掲載された媒体→タイトル・著者・出版社・税込価格) ◆週刊朝日: 10/8 号 6 冊 涅槃(…

ミステリー「ロンドン謎解き結婚相談所」を読みました

ロンドン謎解き結婚相談所 アリスン・モントクレア (著), 山田久美子 (翻訳) 創元推理文庫 舞台は戦後まもない1946年のロンドン。戦時中にスパイ活動の訓練を受けていたアイリスと、戦争未亡人で息子を持つ上流階級婦人のグウェン。対照的な二人は、自分たち…

今週 書評で取り上げられた本(9/20~9/26 週刊10誌&朝日新聞)全73冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。今が旬の逸品といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 今週の書評本(◆掲載された媒体→タイトル・著者・出版社・税込価格) ◆週刊朝日:10/1号 6 冊 家族のよ…

今週 書評で取り上げられた本(9/13~9/19 週刊10誌&朝日新聞)全104冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。今が旬の逸品といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 今週の書評本(◆掲載された媒体→タイトル・著者・出版社・税込価格) ◆週刊朝日:9/24号 6 冊 ねじねじ…

奥深い闇社会に若者はハマる・西尾潤の「マルチの子」を読みました

「マルチの子」 西尾潤(著) 徳間書店 マルチビジネスのど真ん中にいる22歳の真瑠子(まるこ)が主人公の小説のご紹介。 コロナ禍以前、男3人でJR大阪駅周辺でランチの後にカフェで数時間過ごしていると、不思議な集団によく遭遇した。 30~40代くらいの女…

今週 書評で取り上げられた本(9/6~9/12 週刊10誌&朝日新聞+ダヴィンチ)全106冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。今が旬の逸品といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 〇「白光」朝井まかて この作家は多作でまだ読んだことはないのですが、いつも面白い人物をモチーフに…

今週 書評で取り上げられた本(8/30~9/5  週刊10誌&朝日新聞)全92冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。今が旬の逸品といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 今週の書評本(◆掲載された媒体→タイトル・著者・出版社・税込価格) ◆週刊朝日:9/10号 6冊 平成史 昨…

今週 書評で取り上げられた本(8/23~8/29 週刊10誌&朝日新聞)全96冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。今が旬の逸品といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 今週の書評本(◆掲載された媒体→タイトル・著者・出版社・税込価格) ◆週刊朝日:9/3号 (特集 没後40…

今週 書評で取り上げられた本( 8/16~8/22 週刊10誌&朝日新聞)全101冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。今が旬の逸品といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 今週の書評本(◆掲載された媒体→タイトル・著者・出版社・税込価格) ◆朝日新聞:8月21日 28冊 向田邦…

今週 書評で取り上げられた本( 8/9~8/15 週刊10誌&朝日新聞)全24冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。今が旬の逸品といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 今週の書評本(◆掲載された媒体→タイトル・著者・出版社・税込価格) ◆朝日新聞:8月14日 18冊 トヨタ…

今週 書評で取り上げられた本(7/26~8/1 週刊10誌&朝日新聞)全93冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。今が旬の逸品といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 今週の書評本(◆掲載された媒体→タイトル・著者・出版社・税込価格) ◆朝日新聞:7月31日 18冊 星落ち…

今週 書評で取り上げられた本(7/19~7/25 週刊10誌&朝日新聞)全79冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。今が旬の逸品といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 今週の書評本(◆媒体→タイトル・著者・出版社・税込価格) ◆朝日新聞:7月24日 19冊 スモールワールズ …

全米図書賞の柳美里作「JR上野駅公園口」を読みました

柳美里の小説を初めて読む。 2020年の全米図書賞の翻訳部門で、柳美里の「JR上野駅公園口」( "Tokyo Ueno Station"モーガン・ジャイルズ翻訳)が受賞したことがきっかけで、この受賞作を読むことにした。 昨日7月23日は東京オリンピックの開会式だったが、…

今週 書評で取り上げられた本(7/12~7/18 週刊10誌&朝日新聞)全119 冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。今が旬の逸品いえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 第165回直木賞を受賞したのが佐藤究の「テスカトリポカ」と澤田瞳子の「星落ちて、なお」。 「テスカトリ…

今週 書評で取り上げられた本(7/5~7/11 週刊10誌&朝日新聞+ダ・ヴィンチ)全110冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。「今が旬のAクラスに属する逸品」といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 今週の書評本(◆媒体→タイトル・著者・出版社・税込価格) ◆朝日新聞:7月10日 19…

今週 書評で取り上げられた本(6/28~7/4 週刊10誌&朝日新聞)全119冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。「今が旬のAクラスに属する逸品」といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 第165回直木賞と芥川賞の候補作が発表されました。直木賞の候補にはメディアの書評…

直木賞の西條奈加「心淋し川(うらさびしがわ)」を読みました

心淋し川 西條奈加 集英社 2021年1月に発表された第164回直木賞の受賞作、西條奈加の「心淋し川(うらさびしがわ)」を読んだ。 時代は江戸、いまの東京の根津・千駄木に近い「心町(うらまち)」という架空の下町が舞台の物語。 根津といえば私にとっては「…

今週 書評で取り上げられた本(6/21~6/27 週刊10誌&朝日新聞)全84冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。「今が旬のAクラスに属する逸品」といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 先日、こんなツイートを目にした。◆佐藤一光@kazzuaki最悪な話を聞いた。ある民間…

今週 書評で取り上げられた本(6/14~6/20 週刊10誌&朝日新聞)全106冊

※毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。「今が旬のAクラスに属する逸品」といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 今週の書評本(媒体→タイトル・著者・出版社・税込価格) ◆朝日新聞:6月19日 28…

今週 書評で取り上げられた本(6/7~6/13 週刊10誌&朝日新聞)全110冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。「今が旬のAクラスに属する逸品」といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 今週ご紹介する書籍は全110冊ですが、毎週毎週さまざまな媒体でいろんな本の書評が…

今週 書評で取り上げられた本(5/31~6/6 週刊10誌&朝日新聞+α)全115冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。「今が旬のAクラスに属する逸品」といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 今週の書評本(媒体→タイトル・著者・出版社・税込価格) ◆朝日新聞:6月5日 29冊 …