遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

美術、アート

追悼・感謝 安野光雅画伯

画家の安野光雅さんがお亡くなりになった、謹んでご冥福をお祈りいたします。 小学生低学年の頃、当時の日本教育テレビ(NET=Nippon Educational Television・現テレビ朝日)だったかで、小学生向けの図画工作の夏休み番組みたいなのに出てくるおじさんが安…

年暮る/東山 魁夷

「年暮る(としくる)」 東山 魁夷 上の画像は、東山魁夷の「年暮る(としくる)」という名作(山種美術館・所蔵)。 39歳のときの作品「残照」で世にはじめて認められた東山は、遅咲きの人であった。 そして、自他共に認められる高みに達したかという55…

大阪市の至宝、佐伯祐三「郵便配達夫」、モディリアーニ「髪をほどいた横たわる裸婦」

2021年完成予定の「大阪中之島美術館」(完成予想図)、左手前のステンレス製モニュメントと建物は「国立国際美術館」 以下の記事は、2011年に私が書いたもので、大阪市の北区は中之島にある国立国際美術館での「中之島コレクション」を見た時のもの。この「…

祝・某市の公募展(油彩)に初入選

私、キャリア2年6か月の日曜画家。このたび某市の公募展に初応募し、入選を果たしました。応募した作品は、プライバシー等諸般の事情でお見せできません。(上の画像は私の別作品。) 通っていた油彩教室が中止になり、年度末の「卒業制作」として描き始めて…

美術展に出品者するは女性ばかりか?男は何をしているのか?

上の写真は10年前に撮ったの京都祇園の「一力茶屋」界隈です。 私は、スケッチではなく自分の写真をヒントに油彩を描くことも多く、上の写真も、いずれは絵画のモチーフに取り入れたいと思う1枚です。(以下の記事とは無関係の写真です) きょうは、日曜画家…

大阪万博2025のロゴが決まった、けど

大阪万博2025のロゴが決まった。 今朝のモーニングショーを見ていたら、そのロゴを見て「大腸みたい」といった女性がいたが、私も最初の印象は「大腸」だった。同じ発想の人間がいてうれしくなったが、ネット民たちもこのロゴでいろいろ遊んでいるようで楽し…

写真集「ソール・ライターのすべて」の涼やかな風

ソール・ライターのすべて 青幻舎 2017年に日本で写真家のソール・ライターの回顧展が開かれ、Eテレの「日曜美術館(日美)」で取り上げられた。その時初めてソール・ライターを知った。 その頃に本書は刊行された。 日美では多くの写真が紹介されたが、本書…

ああまぼろしの「コートールド美術館展」(神戸展)

上は、幻の展覧会になってしまった「コートールド美術館展」のポスターです。 この美術展は、1年以上前から楽しみにしていたので、新型コロナで開会が遅れたころも、6月21日までチャンスは残っていると思っていたのですが、残念ながらずいぶん前に開催中止が…

日曜画家の自粛期間中の油絵作品

上の画像は、日曜画家の私の作品です。 数年前にはじめって買ったキャンバスに油絵の具で描きました。サイズがF6号(41×31.8㎝)の小さめの油絵です。 実は、全く別物の元の絵(2年前に描いた失敗作の風景画)を塗りつぶして、こんな絵に仕上げました。この…

外出自粛のGWにお勧めドキュメンタリー映画4本

イン・ヴォーグ:ザ・エディターズ・アイ 60分 2012年ファション界随一の影響力を誇る「ヴォーグ」の紹介を通して、この雑誌の120周年記念を祝う。時代を代表する編集者たちの視点から語られたこの映画は、ファッション、フォトグラフィー、フェミニズムの一…

新型コロナウィルスで絵画教室閉幕(涙)

完成までもう少しの日曜画家作品 昨日は、2年ぶりの高校クラス会。近所に住む同級生女に家まで車で送ってもらって帰ってきたら、哀しいお知らせが一件。 今年度の絵画教室、残り数回を残して教室を閉鎖するとのこと。新型コロナウィルスの蔓延・感染を防ぐた…

日曜画家、油彩風景画の制作に入りました

これはどこか田舎の集落。自分で写真撮影したものを日曜画家が水彩画にしました。 山あいに広がった40戸くらいの集落で、それぞれ「母屋」があり、「離れ」や「土蔵」や「農機具や資材小屋」などのある集落なので、様々な建物が混在しています。 母屋は二階…

日曜画家の抽象風景画

水彩絵の具によるスケッチです。 上の水彩スケッチをモチーフに、抽象画にするための下書きがこれです。 これも水彩ですが、水彩に適した紙ではなかったためシワやにじみが出ています。 これをモチーフにして、油彩のための習作をえんぴつで数枚描きました。…

「青いドレスの王女マルガリータ・テレサ」/ハプスブルク展(国立西洋美術館)

図書館の雑誌「美術展ぴあ 2019~2020」をチェックして、グーグルのカレンダーに行きたい展覧会(関西開催)を記入しようとしたら、すでに予定に入っていました。 上のポスターは、行きたいけど行けない「ハプスブルク展」。東京の国立西洋美術館でのみの開…

66歳の日曜画家と13歳と75歳と55歳のピカソ

66歳の日曜画家の水彩スケッチです。 池のほとりのあずまやと植栽と木製のフェンスが見えますでしょうか。 あいにく空はどんよりと曇っていました。 鉛筆で下書きして、12色の固形の水彩絵の具に太い筆1本で彩色しました。 使用したスケッチブックはF6号サイ…

和田誠を悼む/イラスト自体が彼の人格だった

和田誠さんが亡くなられたニュースを目にした。謹んでご冥福をお祈りする。 昨日のマイブログ記事で、「火野正平のこころ旅」と「たばことコーラ」を題材にしたが、火野正平が吸っているたばこが、いまではめずらしいハイライト。 1960(昭和35年)年に発売…

キュビスムの静物画の制作に入りました/絵画教室

私の通う油絵教室では、いまキュビスム作品にとりかかっています。 「キュビスム」、なんとゲージュツ的な響きなんでしょう。 《キュビスム(仏: Cubisme; 英: Cubism「キュビズム、キュービズム」、立体派)は、20世紀初頭にパブロ・ピカソとジョルジュ・ブ…

「表現の自由」を守るためには覚悟と準備が必要だ

あいちトリエンナーレの企画展「表現の不自由展・その後」。私はいい企画展だと思ったし、中止などしなくてもよかったと思っている。 今回の騒動で、最も客観的に論評していたのが、10日(土)の朝日の宮台真司の論評だった。クレームをつけ騒ぐ世間の動きは…

#あいちトリエンナーレを支持します

1日から開催されている芸術祭「あいちトリエンナーレ」で「「表現の不自由展・その後」コーナーに出展された平和の少女像が「検閲」にあって撤去されるかもしれない事態に陥っている。 表現の自由は、ヘイトや差別や殺戮者を賛美するようなものを除いて「何…

今日は政治を選べる日/参院選2019

私は20歳以降の45年間、どんな選挙でも棄権したことがありません! 投票したくない候補者ばかりだったこともありましたが、それでもよりましな選択をしてきました。 今日は夕方に、散歩がてらに投票に行ってきます。

未来への思いを響かせます!/京アニ

NHKの朝ドラ「なつぞら」、主人公たちは今東洋動画で「ヘンゼルとグレーテル」のアニメを製作中。 その製作スタッフには、高畑勲がモデルの演出家の坂場一久(画像右から3人目)や、宮崎駿がモデルの神地航也(左端)など若き日の日本アニメ界の天才たちが集…

昭和初年のモダンなポスター/松竹座

先日訃報が届いた京マチ子さんが所属されていた「OSK日本歌劇団」についてウィキペディアで読んでいたら、上の右のポスターが掲載されていました。 このポスターは、1930年(昭和5年)の大阪ミナミは道頓堀松竹座の「松竹大レヴュウ」のポスターです。ほぼ90…

ノートル・ダムの眺め/アンリ・マティス

ノートルダム寺院の火災に関連してどなたかがアップしていた画像で、この作品を初めて知りました。 アンリ・マティスが描いた「ノートル・ダムの眺め」という作品です。 制作されたのは1914年ですから、すでに100年を経過していて、ニューヨーク近代美術館に…

福沢諭吉は通り過ぎ、渋沢栄一はやって来ず

私が生まれたころはまだ一万円札(昭和33・1958年発行)と五千円札(昭和32・1957年発行)がなかったのだが、物心ついてからは聖徳太子の一万円札が出回り始めたころ。 そして、40年ほど前の初任給は封入された現金で聖徳太子を何枚かもらった。 1984年に福…

油絵教室に1年通いました

地元の市民講座の油絵教室に1年間通いました。65歳で人生初めての習い事で、まさに「60の手習い」でした。 上の作品は、10号(サイズ53㎝×45㎝)キャンバスに描いた静物画です。 アトリエの倉庫から、何種類かのオブジェを引っ張り出してきて無造作に置かれ…

立ち雛/奈良の一刀彫

きょうはひなまつり。 上の人形は、奈良の一刀彫のひな人形(立ち雛)です。 阪急デパートのサイトに陳列されていた売り物です、孫にプレゼントするのはこういうのがいいかなと去年のひなまつりころから思っています。 長女一家と孫たちは、海外で借家暮らし…

旧日本兵に呪われる国会議事堂/会田誠「まつり」

兵庫県立美術館(神戸市中央区)で開催中の企画展「Oh!マツリ☆ゴト 昭和・平成のヒーロー&ピーポー」(3月17日まで)展示されているのが、会田誠の「まつり」という作品(上の画像)。 会田のこの作品は、撮影が許可されているそうである。 青森のね…

駒場祭ポスター/橋本治

私は中学3年生だった1968年。東京大学の駒場祭のポスターが話題になった。 「とめてくれるなおっかさん 背中のいちょうが泣いている 男東大どこへ行く」というコピーを50年経っても覚えている。 任侠に生きる男の背中にはイチョウが舞いイチョウをデザインし…

落穂拾い/ミレー

小学生の私は、ミレーの「落穂拾い」を「落ち葉」と言ったのを、担任の先生に「おちぼ」と訂正されたことを覚えている。 それまで「落穂」などという言葉も概念も私の中にはなかったので、いまだにとても印象深くミレーのその作品と「落穂」のことを覚えてい…

マルケの「パリのサン=ミシェル橋」

プーシキン美術館展(大阪国立国際美術館にて10月14日まで開催)から、アルベール・マルケの「パリのサン=ミシェル橋」をご紹介。 マルケという画家を知らなかったのですが、この作品はとても印象に残りました。 1908年頃の作品で、大きさは65×81cmで、大作…