ソール・ライターのすべて 青幻舎
2017年に日本で写真家のソール・ライターの回顧展が開かれ、Eテレの「日曜美術館(日美)」で取り上げられた。その時初めてソール・ライターを知った。
その頃に本書は刊行された。
日美では多くの写真が紹介されたが、本書の表紙に使われている赤い傘と雪の日の写真「足跡」(1950年)がなんとなく日本情緒があってとても印象的だった。
本書は主に1950年代のカラー写真で占められていて、街中の色の切り取り方とフレームワークが絵画のように素晴らしい。いつまでも色あせない写真ばかりだ。
巻末にはソール・ライターの水彩画も数ページ紹介されていて、ああ写真家はカメラを筆にできる芸術家だと改めて確認した。
雪の日の写真もたくさん詰まっていて、涼やかな心地良い風が吹いてくる。
【ソール・ライターの経歴】
1923年、アメリカ、ビッツバーク生まれ。1940年代、絵画のようなカラー写真の先駆者として、
また「ヴォーグ」「ハーパーズ・バザー」などの有名ファッション誌の表紙を飾ったソール・ライター。
商業性が強く求められる80年代になると表舞台から姿を消してしまいました。
2006年、ドイツのシュタイデル社から初の写真集が刊行されるや“巨匠の再発見"と熱狂的に受け入れられ、世界中で展覧会が開催。
2013年ニューヨークで死去。