私の通う油絵教室では、いまキュビスム作品にとりかかっています。
「キュビスム」、なんとゲージュツ的な響きなんでしょう。
《キュビスム(仏: Cubisme; 英: Cubism「キュビズム、キュービズム」、立体派)は、20世紀初頭にパブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックによって創始され、多くの追随者を生んだ現代美術の大きな動向である。それまでの具象絵画が一つの視点に基づいて描かれていたのに対し、いろいろな角度から見た物の形を一つの画面に収めた。》
(ウィキペディアより)
まさか自分がそんな高尚な作品を描くことになろうとは、油絵教室に通いはじめた昨年春頃には想像もしていないことでした。
絵画教室のアトリエにある静物モチーフを数種類選んでスケッチをするところから始めましたが、いつも新しい課題のスタートは手探り状態で作品の完成イメージがつかめていません。
蓋つき取っ手付きティーポット、丸っこい花瓶、すらっとした花瓶などをモチーフに、立体的な普通のスケッチをしたのち、真横や真上からの平面的なフォルムも忠実にスケッチしました。
それらのモチーフを組み合わせて、例えば、真横から見たフォルムに真上から見たフォルムの蓋を乗せてポットを描くようなことして、個体のフォルム作りを何度も練りました。
できる限り「不協和音」が感じられるような個体を作成しようとしましたが、協調性を重んじてきたまっとうに生きてきた65年間が邪魔をしてというのは嘘で、四角四面の融通の利かない脳神経が良き作品作りを阻害してくれました。
教室の先生のレジュメには「考えることよりたくさん描いてフォルムを見つけなさい」みたいなことが書いてあったのでその通りにしていけば、何とかそれらしい個体が出来上がりました。それぞれの個体の別バージョン配置を何枚かの作品に仕上げて、一番気に入ったものを下書きの完成作品としました。
いまはその下書きをキャンバスに木炭で写したところまで進んでいます。次回から油絵具で色をのせていきます
この記事を書くために、ピカソとブラックの静物画を調べたら、私の静物画にも彼らのエッセンスを発見して喜んでいるところです。
何の前提知識もなくピカソやブラックの作品を見た時のざわついた響きの不協和音が、自分もキュビスムを体験してみることによってクリアで多様な音に聴こえることをここに白状します。
いい作品が完成したら、後日に別記事で紹介することにします。