遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

映画「i-新聞記者ドキュメント-」 が面白かった

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i-新聞記者ドキュメント-

netflixに最近登場したばかりの、森達也監督の「i-新聞記者ドキュメント-」を観賞。面白かった、おすすめの映画である。

森は、2016年に作曲家の佐村河内守に密着した「FAKE」を制作、この作品も観たが、それ以来の監督作品となる。

私ひとりで見始めたが、いま海外ドラマの「メンタリスト」(私は見ていない)にどっぷり浸かっているいる妻も、真剣にしっかりこのドキュメンタリーを見ていた。

東京新聞の新聞記者望月衣塑子に密着し、そこから見えてくる政治の世界や社会問題やそれに対するメディアの現状を「みなさんどのように見ますか?」という森達也の問いかけのような作品。

「日本はこんなにもちゃらんぽらんで何もかもひどくて醜い世の中ですよ」という警鐘ばかりなのだが、森はまあそこまでははっきり言わずに(言ってるか)森自身とカメラマンのカメラ映像・音声に語らせている。

望月衣塑子の中の何がそんなにエネルギッシュに彼女を駆り立てるのかはよく分からないが、日本に「第四の権力」というものがあるとするならば、彼女の見ていて楽しい仕事ぶりにあるだろう。(第四の権力=「報道」を三権「行政・立法・司法」に次ぐ第四の権力とする解釈)

望月の宿敵というべき菅義偉が、あのプロンプターが苦手なせいなのか、総理大臣になって記者会見の形態を変えてしまいメディアへの門戸をさらに閉ざしてしまったことは、官房長官時代に望月の粘っこい質問にしっぽを巻き続けていたことと無関係ではないように思う。

この作品にもそのシーンが何度か登場するのだが、菅義偉は望月衣塑子に手を焼いていたと思うのである。

ちなみに、SNSのことを第五の権力という説にも大いに納得できる今日この頃なのである。

第32回東京国際映画祭 日本映画スプラッシュ部門 作品賞
第93回キネマ旬報ベスト・テン 文化映画ベスト*テン第1位
日本映画ペンクラブ賞 文化映画部門2019年ベスト1

出演者
望月衣塑子
森達也
前川喜平
伊藤詩織
籠池泰典
籠池諄子
南彰
金平茂紀
パトリック・ハーラン
堀潤
玉城デニー
安倍晋三
菅義偉
佐川宣寿
麻生太郎
神保哲生
保坂展人
鈴木耕
志位和夫
山口敬之