遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

#絵画

笛を吹く少年/マネ

『笛を吹く少年』 作者 エドゥアール・マネ(1832 - 1883年) 制作年 1866年 素材 油彩 寸法 161 cm × 97 cm 所蔵 オルセー美術館(パリ) マネのいちばん有名な作品が「笛を吹く少年」ではなかろうか。 誰のなんという絵なのかは知らなくても、この絵を見た…

フォリー・ベルジェールのバー/マネ

「フォリー・ベルジェールのバー」 作者:エドゥアール・マネ(1832 - 1883年) 制作:1882年 寸法:92 × 130 cm 所蔵 コートールド・ギャラリー(ロンドン) 女性が描かれた絵画で、とても好きな1枚が、エドゥアール・マネ作の「フォリー・ベルジェールのバ…

自画像/三岸節子

人間の情熱の量などたかが知れたものだが、 ときに巨大な量を持ってうまれざるをえなかった人がいる。 三岸節子がそうである。 司馬遼太郎 壁に飾る絵を捜しているとき、10年ほど前、三岸節子に出会った。 印刷かシルクスクリーンだったか、モダンなおしゃれ…

ヴェネチア/三岸節子

「ヴェネチア」 三岸節子 114x146cm 堀美術館(名古屋市) 絵を描くのが上手な人、うらやましいですね。 とりわけ、私がいいなあと思うような絵を描ける人は、かっこいいなあとちょっと尊敬してしまいます。 3年前の入院中、その病院のコーヒー販売機のそばの…

クマさん(篠原勝之)のポスター

昨夜の「なんでも鑑定団」に、李麗仙が劇団「状況劇場」のポスターを持ってきた。横尾忠則のシルクスクリーンのポスターが2枚で、「腰巻お仙」のポスターが300万円、「ジョン・シルバー」のポスターが200万円。鑑定額は合計で500万円だった。印刷ではない一…

阪急百貨店の50年代の包装紙

ある日、急に懐かしく思い出したのが阪急百貨店の包装紙。私が子供のころの1950年代の包装紙である。 そのデザインは、さまざまなオブジェが小紋のようにちりばめられた楽しい絵柄だった。大阪の街に出るとよく目にした人様が持っている包みだったり、ほんの…

風神雷神図/俵屋宗達

昨日、京都に用事があり、ついでに京都国立博物館で開催中の「琳派 京(みやこ)を彩る」展を見学。 俵屋宗達と尾形光琳と酒井抱一それぞれの「風神雷神図屏風」が同時展示されるこの期間に、用事の方を合わせての京都行となった。 チケット売り場で「80分待…

「新聞屋」佐伯祐三/二科100年展

佐伯祐三 「新聞屋」 1927年第15回二科展出品 74×60cm 個人蔵 「伝説の洋画家たち 二科100年展」 から、私の記事としては最後の一枚のご紹介。 佐伯祐三(さえき ゆうぞう、1898年 - 1928年)は、大阪市の出身。 佐伯の作品「新聞屋」は、1927年(昭和2年)…

メキシコに於けるマドレーヌ/藤田嗣治

藤田嗣治 「メキシコに於けるマドレーヌ」第21回二科展 1934年 京都国立近代美術館蔵 「二科100年展」から、藤田嗣治(ふじたつぐはる、1886年 – 1968年)の作品をご紹介。 2人目の妻と離婚したばかりの1931年、当時パリ在住の藤田は愛人のマドレーヌと個展…

初夏の小路/岸田劉生

「初夏の小路」 岸田劉生 1917年 油彩 45×38cm 下関市立美術館蔵 岸田劉生(きしだ りゅうせい、1891年 - 1929年)。 1979年(昭和54年)、京都国立近代美術館で「没後50年 岸田劉生展」が開催され25歳の私も足を運んだ。会期は6月5日から7月15日で、入場者は…

放牧三馬/坂本繁二郎

放牧三馬 坂本繁二郎 1932年 油彩 80×99cm ブリヂストン美術館蔵 「二科100年展」から、坂本 繁二郎(さかもと はんじろう、 1882年-1969年)の作品のご紹介。 久留米生まれで、幼いころから神童とうたわれた坂本。なんと、同郷で同年で同じ小学校の同級生に…

玉蟲先生像/安井曾太郎

玉蟲先生像 安井曾太郎 1934年 油彩 48×39cm 東北大学資料館蔵 私の小学時代や中学時代は、絵や習字の良い作品は校舎の廊下や玄関の掲示板に張り出された。私は、上級生のそれらの作品を見るのが大好きだった。私の近所の2学年上の美人で大人しいつう子ちゃ…

伝説の洋画家たち 二科100年展

美術展を始めて観たのが、47年前(1968年)の「二科展」だった。場所は大阪の天王寺公園にある、大阪市立美術館だった。 今日は、二科展創設100年を記念して開催されている「伝説の洋画家たち 二科100年展」を、奇しくも大阪市立美術館で鑑賞。私が初めて出…

市の美術展を鑑賞しました

ノーベル賞。村上春樹の文学賞、九条の会の平和賞は受賞できなかった、残念でしたけど、また来年があります。 受賞を逸したのは残念ですが、我々は安保法の廃止に向けて、できる限りの努力をしなければなりません。 話は変わりますが、私の住む市の美術展を…

かわいい「白熊」/古今要覧稿

残暑お見舞い申し上げます 1年前は、オルセー美術館のフランソワ・ポンポンの彫刻「白熊」を残暑見舞い代わりにご紹介した。 http://blogs.yahoo.co.jp/tosboe51/67246075.html 今年は、「古今要覧稿」からの「白熊」をご紹介。この絵画は、ツイッター経由…

今日はすっごくいゝ日

今日は すっごく いゝ日 明日も あさっても きっと いゝ日だと思う これは、(たしか)内田樹先生のもとへ届いた絵手紙。 送り主は90代の女性。 絵も文章もとてもシンプルで洒脱で、いったいどのようなお方が書かれたのだろうか。センスの良さを感じます。 …

10年待った「アクセス解析」

ヤフーブログ、6月後半から「アクセス解析」機能がリリースされました。私はこの機能を10年も待っていました。そのうちリリースしてくれるだろうと長い間待ちました。 ■記事アクセスランキング マイブログのどの記事を見てくれているのかがずっと気になって…

堀文子の4作品

画像左「アフガンの王女」2003年 85歳 この作品は、「徹子の部屋」のゲストの左後方に額装して掲げられているあの作品です。右手のしぐさでお気づきでしょうが、この作品のモデルは、黒柳徹子です。 右上「葉切り蟻の行進」2001年 83歳 モチーフはアマゾンの…

堀文子展~一所不住・旅

神戸で「チューリッヒ美術館展」を見た後、同じく神戸は兵庫県立美術館で開催中の「堀文子展」にも赴く。 画像は、「堀文子展」ポスターと安藤忠雄設計による県立美術館の外観。 諸般の事情で「チューリッヒ美術館展」に行きそびれているうちに、「堀文子展…

チューリッヒ美術館展の風景画4点

画像は、「チューリッヒ美術館展」での風景画で、左上から右へ、セザンヌ、ゴッホ、ホドラー、ムンクの作品。 windowsの「ペイント」の編集機能を使って縮小率を調整して、大きさの異なる4作品を、無理やり一枚の画像に押し込めてみました。 それにもかかわ…

チューリヒ美術館展・神戸

開期が5月10日と迫ったチューリヒ美術館展に、ようやく行ってきました。 1月31日から始まっていた同展、余裕でいつでも行けるわいと思っていたら、今日になってしまいました。 展示絵画・彫刻は74点と多くはなかったのですが、上のポスター(別バージョン2枚…

ピースのパッケージ/レイモンド・ローウィ

澄んだ濃紺をバックに、黄金の鳩がオリーブの葉をくわえ、純白で「Peace」と書かれた、何とも平和で端整なデザインは、昭和27年(1952)の4月にデザイン変更され発売された、ピースである。(オリジナルのピースは別デザインの箱で1946年(昭和21年)1月に発売…

日本美術応援団/赤瀬川 原平,山下 祐二

日本美術応援団 赤瀬川 原平,山下 祐二 ちくま文庫 昨年10月に亡くなられた赤瀬川原平さんの死を(いまごろ)悼み、彼と山下祐二の共著「日本美術応援団」を再度ご紹介。10年ほど前、ネットで偶然発掘したこの書物。私はこれで、日本美術をさらに深く愛する…

バルテュス展/京都市美術館

「夢見るテレーズ」(1938) 京都市美術館で開催中の「バルテュス展」に行ってきました。 今回日本にやってくるまで、知らない作家でした。作品も知らない。パリのポンピドー・センターに行ったことがありますが、同美術館に展示されていて出会っているはず…

絵画好きさんへの50の質問

「絵画好きさんへの100の質問」に答えてみた。でも50問以降がつまらないので「前半だけの50の質問」に答えてみました。 Q001.絵が好きな理由を聞かせてください。 難しい質問ですが、音楽や文学と異なり、絵画は瞬間に感受できる芸術(時空を超えた人間…

詩人に霊感を与えるミューズ/アンリ・ルソー

アンリ・ルソー (1844 - 1910) ≪詩人に霊感を与えるミューズ≫ 1909年 油彩、カンヴァス 131×97cm 「プーシキン美術館展」、最後に紹介するは、アンリ・ルソーの作品。 税関吏で日曜画家だっただったアンリ・ルソーは、50歳手前で職を辞し年金生活に入り、…

パイプをくわえた男/ポール・セザンヌ

ポール・セザンヌ(1839 - 1906) ≪パイプをくわえた男≫ 1893-96年頃 油彩、カンヴァス 91×72cm 「プーシキン美術館展」で最も長く足を止めた作品。この作品を模写してみたいと思ったので、長い時間鑑賞していました。 この作品は、67歳で生涯を終えた彼の…

陽だまりのライラック/クロード・モネ

クロード・モネ(1840 - 1926) ≪陽だまりのライラック≫ 1872-73年 油彩、カンヴァス 50×65cm 最近何かでインプットされた情報に、美術展を楽しむ方法のひとつに、どれか一作品をタダでもらえるとしたら、それをどれにするかを意識して展示作品を見るとい…

ジャンヌ・サマリーの肖像/ルノワール

ピエール=オーギュスト・ルノワール ≪ジャンヌ・サマリーの肖像≫ 1877年 油彩、カンヴァス 56×47cm 休暇を取って神戸に「プーシキン美術館展」に行く。 開館30分後くらいに入館。会期は12月8日までなので、まだ駆け込み客は少なくて、平日の朝だったので比…

「いまさら感」と「やっぱり感」/日展

日展の書(篆刻)の部門で入選審査に不正が発覚したとの報道で、「いまさら感」と「やっぱり感」を半分ずつ抱く。(私のプロフィール画像は、とある篆刻作家の毛筆作品「上々吉上々」の「吉」の部分であります。) 70年代後半から80年代前半まで、NHKで「…