チケット売り場で「80分待ち」との張り紙に一瞬ひるんだが、せっかく足を運んだのだからと入口の行列に並ぶ。結局入場までは30分ほどだったが、展示会場に早く入れた分、中はすごい人だった。
『風神雷神図』【国宝】
作者 俵屋宗達
制作年 寛永年間(1624~1643)頃
素材 紙本金地着色
寸法 154.5 cm × 169.8 cm
長く生きていればいいこともあるもので、宗達のこの屏風とは2度目のご対面。
前回会ったのは、2006年の暑い夏、京都国立博物館建替え前の特別展だった。
200年の時の流れを経た同じ題材の3枚の「風神雷神図」が、薄暗い展示室の3方向のガラスケースに配置されていた。観覧客は屏風の前から途絶えることはない。次から次へと押し寄せ、何人かがすっと宗達の屏風の中に吸い込まれていなくなる。
この現象は、9年前の特別展と同じだ、神隠しに遭う。私は確かに見た気がする。