遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

風神雷神図/俵屋宗達

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昨日、京都に用事があり、ついでに京都国立博物館で開催中の「琳派 京(みやこ)を彩る」展を見学。

俵屋宗達尾形光琳酒井抱一それぞれの「風神雷神図屏風」が同時展示されるこの期間に、用事の方を合わせての京都行となった。

チケット売り場で「80分待ち」との張り紙に一瞬ひるんだが、せっかく足を運んだのだからと入口の行列に並ぶ。結局入場までは30分ほどだったが、展示会場に早く入れた分、中はすごい人だった。

風神雷神図』【国宝】
制作年 寛永年間(1624~1643)頃
素材 紙本金地着色
寸法 154.5 cm × 169.8 cm 
所蔵 建仁寺 (京都国立博物館に寄託)

長く生きていればいいこともあるもので、宗達のこの屏風とは2度目のご対面。
前回会ったのは、2006年の暑い夏、京都国立博物館建替え前の特別展だった。

所蔵先の建仁寺にある同図はレプリカで、いまは京都国立博物館に寄託されている。

この作品から100年後に尾形光琳が模写(重要文化財)し、さらにその100年後に酒井抱一光琳の作品を模写している。抱一は宗達の作品の存在を知らなかったという。

200年の時の流れを経た同じ題材の3枚の「風神雷神図」が、薄暗い展示室の3方向のガラスケースに配置されていた。観覧客は屏風の前から途絶えることはない。次から次へと押し寄せ、何人かがすっと宗達の屏風の中に吸い込まれていなくなる。
この現象は、9年前の特別展と同じだ、神隠しに遭う。私は確かに見た気がする。

風神雷神図」3枚そろい踏みは、11月8日まで。宗達の作品は、会期いっぱい11月23日まで展示される。