画像は、「堀文子展」ポスターと安藤忠雄設計による県立美術館の外観。
諸般の事情で「チューリッヒ美術館展」に行きそびれているうちに、「堀文子展」が始まったので、これ幸いと同日に両展に行くことにした。
堀文子は女子美出身の日本画家で、いまだに96歳でご健在の1918年生まれの御仁。私は、日曜美術館かNHKのドキュメンタリーでその存在を知る。その頃すでにご高齢で、ミジンコや庭の落ち葉の作品を書いておられた。身近なモチーフでも彼女の作品に仕上がると、芸術性や生命感を感じて印象深かった。
展覧会の「一所不住・旅」というテーマは、一つのところにとどまらず、驚きや感動をもとめて常に新しい状態に身を置くために旅をする、という意味。
実際彼女は、70歳ころにイタリアに移住してアトリエを構え、その後世界を旅してスケッチを重ね「生涯現役」をいまなお貫いている。
今回は、堀文子のほぼ生涯を通じた作品が網羅されているようで、130点に及ぶ大回顧展となっている。ことに、70歳以降のバイタリティあふれる作品群にはっと息をのむ。
「トスカーナの花野」72歳時の作品
50代の頃の絵本の原画もうっとりするほど洒脱な作品で、1972年ボローニャ国際本原画展でグラフィック賞をとった絵本「くるみわりにんぎょう」などの原画も展示されていた。
また日をあらためて、いくつか作品の紹介をしたい。
展覧会会期は6月7日まで、お近くの方は是非おでかけになっていただきたい。