彼は60代半ばでこの世の人でなくなったので、プロ生活は15年くらいの短期間であった。おそらく作品数は多くないと想像できるが、にもかかわらず世界中の美術館に彼の作品は所蔵展示されている。
そして、プーシキン美術館は「詩人に霊感を与えるミューズ」を所蔵。恋人たち、詩人のギヨーム・アポリネールと、画家のマリー・ローランサンがモデルの幸せな作品である。(今回の展示作品の中には、ローランサン自身の作品、女性の顔を描いた素敵な作品も展示されていた。)
人を作品の前に釘付けにさせるパワーがルソーには備わっていて、世界中の美術館で彼の作品の前で訪れた人たちを立ち止まらせ、魅了していると、想像に難くないのである。ああ、死ぬまでにもう一度オルセーに行きたい。