遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

かわいい「白熊」/古今要覧稿

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残暑お見舞い申し上げます

1年前は、オルセー美術館フランソワ・ポンポンの彫刻「白熊」を残暑見舞い代わりにご紹介した。

今年は、「古今要覧稿」からの「白熊」をご紹介。この絵画は、ツイッター経由で国立公文書館が提供してくれた。

国立公文書館 @JPNatArchives  のツイッターより
猛暑日とまではいかないですが、まだ、暑い日が続きますね。少しでも暑さが和むような、かわいい画像を探してみました。画像は、書家で国学者歌人としても知られる屋代弘賢が編集した『古今要覧稿』からの絵です。 

※屋代 弘賢(やしろ ひろかた、宝暦8年(1758年) - 天保12年閏1月18日(1841年3月10日)は、江戸時代後期の江戸幕府御家人(右筆)・国学者

※古今要覧稿(ここんようらんこう)
江戸後期の類書。560巻。幕命により屋代弘賢が編集。文政4~天保13年(1821~42)成立。自然・社会・人文の諸事項を分類し、その起源・歴史などを古今の文献をあげて考証解説したもの。

古今要覧稿は、江戸時代後期の手描きの百科事典のようなもので、紹介された白熊はその中の一枚。当時は、象や虎やライオンや白熊などは、想像上の生き物に近い存在だった。なのでこの白熊クンも、犬みたいに愛嬌があってかわいい。93年前のフランソワ・ポンポンの方が写実的でリアルである。

古今要覧稿の挿絵は、花鳥風月が編纂されているのだが、無名の絵描きの絵画をコレクションしたものなのか、お抱えの絵師が描き下ろしたのか、芸術的というよりアカデミックで、まじめに面白い。

暑さはいましばらく続くようですが、どうぞご自愛くださいませ。