遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

#読書/ミステリー

今週 書評で取り上げられた本(3/29-4/4 週刊10誌&朝日新聞)全109冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。「今が旬のAクラスに属する逸品」といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 毎週100冊前後の書籍のタイトルを紹介していますが、本自体はもちろんその書評さえ…

今週 書評で取り上げられた本(3/22-3/28 週刊10誌&朝日新聞)全94冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。「今が旬のAクラスに属する逸品」といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 ツイッター投票による本好きが選ぶ「Twitter文学賞」がいったん終了し、同じ形式で…

今週 書評で取り上げられた本(3/15~3/21 週刊10誌&朝日新聞)全120冊

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。「今が旬のAクラスに属する逸品」といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 今週のご紹介の書評本の数は120冊に上りました。素晴らしい数字だと思います。 そ…

小説「日没」/エキサイティングでスリリングな桐野ワールド

日没 桐野 夏生 岩波書店 久々に桐野夏生を読んだ。 本作はディストピア小説として話題になっていたが、次々と問題作を発表する女性作家の主人公が「療養所で治療」されるお話。 キューブリックの名作映画でマイベスト50以内に入る「時計仕掛けのオレンジ」…

今週 書評で取り上げられた本(3/8~3/14 週刊10誌&朝日新聞)

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。「今が旬のAクラスに属する逸品」といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 「一時間、幸わせになりたかったら酒を飲みなさい。三日間、幸わせになりたかった…

今週 書評で取り上げられた本(3/1~3/7 週刊10誌&朝日新聞+α)

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。「今が旬のAクラスに属する逸品」といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 「在学中に本を100冊読もう」を合言葉に、全国の大学生協が「読書マラソン」運…

今週 書評で取り上げられた本(2/22~2/28 週刊10誌&朝日新聞)

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。「今が旬のAクラスに属する逸品」といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 通勤時や外出時に、自宅にスマホを忘れても悔やみませんが、読みかけの本(いつも…

今週 書評で取り上げられた本(2/15~2/21 週刊10誌&朝日新聞)

貧しい時代と家庭に育った私ですが、それでも時々本を買ってもらえることがありました。小学校2年生の頃だったか、2学年くらい上の児童用の日本の歴史の本を買ってもらいました。スサノオノミコト、源義経、佐野源左衛門(「鉢木」のモデル)、那須与一、新…

今週 書評で取り上げられた本(2/1~2/7 週刊10誌&朝日新聞)

毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。書評の内容については各誌をご覧ください。 このコロナ禍で書評本で頻繁に取り上げられる話題の人物が、台湾の閣僚でITの申し子オードリー・タン。 ご存じのとおり、台湾はニュージーラ…

やはりグリシャムは面白い「『グレート・ギャツビー』を追え」を読みました!

「グレート・ギャツビー」を追え ジョン・グリシャム , 村上 春樹 (訳) 中央公論新社 ジョン・グリシャムは元弁護士作家なので、法曹界が舞台の作品が多いのだが、本作はオリジナル原稿や稀覯本(有名作品の初版とか高い価値のある書籍)や作家や書店が主軸と…

ホロヴィッツの「メインテーマは殺人」を充実感に満ちて幸せに読了!

メインテーマは殺人 アンソニー・ホロヴィッツ, 山田 蘭 (訳) 創元推理文庫 「カササギ殺人事件」に続くアンソニー・ホロヴィッツの、犯人捜し本格ミステリー「メインテーマは殺人」を楽しく読了、充実感に満ちて幸せに読了。 本作には、「ホーソーン登場」…

奔放なドイツ語圏のミステリ小説「国語教師」を読みました

国語教師 ユーディト・W・タシュラー (著), 浅井 晶子 (翻訳) 集英社 ドイツ語で書かれたミステリ小説「国語教師」のご紹介。 主人公は女性国語教師マティルダと男性作家クサヴァー。二人は元恋人同士で16年間付き合っていて、16年ぶりに再会するところから…

カササギ殺人事件/アンソニー・ホロヴィッツ

カササギ殺人事件 アンソニー・ホロヴィッツ 山田 蘭 (翻訳) 創元推理文庫 ベストセラーになっている英国発の本格推理小説「カササギ殺人事件」のご紹介。本格推理小説は、海外では「フーダニット(Who done it = 誰が犯行を行ったか)」と称される。 英国の…

ブルックリンの少女/ギヨーム・ミュッソ

ブルックリンの少女 ギヨーム・ミュッソ (著), 吉田 恒雄 (訳) 集英社文庫 フランスのミステリー「ブルックリンの少女」のご紹介。著者は1974年生まれの今年45歳のギヨーム・ミュッソ。 本作は、フランスのコートダジュールに始まり、フランスとアメリカ東海…

ファーストラヴ/島本理生

ファーストラヴ 島本 理生 (著) 文藝春秋 女子大生聖山環菜(ひじりやまかんな)が父親殺人で逮捕され、裁判が始まろうとしていた。 臨床心理士の真壁由紀は、この事件に関するノンフィクションの執筆を依頼され、被告の弁護人となった義弟の庵野迦葉(あんのか…

小説「監禁面接」/ピエール・ルメートル

監禁面接 ピエール・ルメートル 橘 明美 (訳) 文藝春秋 ベストセラー「その女アレックス」のピエール・ルメートルの新作「監禁面接」のご紹介。 主人公アランは、4年前にリストラにより人事部長の職を解かれた失業者。パリでアルバイトをしながら、元の仕事…

屍人荘の殺人/今村昌弘

屍人荘の殺人 今村 昌弘 (著) 東京創元社 若いころからミステリ好きで、初期の頃は犯人捜しが主題の本格ミステリ小説を楽しんでいた。 エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」にはじまり、コナン・ドイルの「ホームズシリーズ」やアガサ・クリスティー…

オンブレ/エルモア・レナード

オンブレ エルモア・レナード (著) 村上 春樹 (翻訳) 新潮文庫 2018年1月に発売された村上春樹が翻訳した「オンブレ」のご紹介。 本書は中編小説の「オンブレ」と短編の「三時十分発ユマ行き」の二作が収録されている。 今年の新刊だから新しい小説かという…

罪の声/塩田武士

罪の声 塩田 武士 講談社 1984年にグリコの社長が誘拐されて身代金が要求され、その後、森永製菓やハウス食品などの食品メーカーが、自社の製品に青酸ソーダとともにスーパーに置かれ、日本中がパニックになった「グリコ森永事件」。 私は、その事件の最初の…

特捜部Q-カルテ番号64/ユッシ・A・オールスン

特捜部Q―カルテ番号64―(上・下) ハヤカワ・ミステリ文庫 ユッシ エーズラ・オールスン (著) ‎ 吉田 薫 (翻訳) 今回のブックレビューは、デンマークの警察小説「特捜部Q」シリーズの第4作「カルテ番号64」。 デンマークのスプロー島に実在した「女子収容所」に…

コリーニ事件/フェルディナント・フォン・シーラッハ

コリーニ事件 フェルディナント・フォン・シーラッハ 酒寄 進一 (翻訳) 東京創元社 ドイツの弁護士にして作家のフェルディナント・フォン・シーラッハの初の長編小説のご紹介。かつて拙ブログで「犯罪」というシーラッハが弁護士活動の中で遭遇した実話をも…

その犬の歩むところ/ボストン・テラン

その犬の歩むところ ボストン テラン (著) 田口 俊樹 (翻訳) 文春文庫 今現在、アメリカの西海岸カリフォルニアでは大変な山火事が続いていて、東京23区よりも広い面積を延焼し続け、死者は23人に達しているという。 夏には、東南部海岸フロリダでは、メキシ…

イノセント・デイズ/早見和真

イノセント・デイズ 早見 和真 (著) (新潮文庫) イノセント【innocent】1 無実の。潔白な。2 純潔な。また、無邪気な。 まあバカにするわけではないけど、何の苦労もなく育ってきてゆとり教育を受けて脳天気なテレビドラマしか見たことのないような人たちに…

流(りゅう)/東山彰良

流 東山 彰良 (著) (講談社文庫) 又吉直樹と羽田圭介が芥川賞を受賞した時(2015年上半期)、直木賞を同時受賞したのが東山彰良で、その受賞作が「流(りゅう)」。2017年7月に文庫化されさっそく読んでみた。 まじめな高校生の主人公が大学に進学して、そこ…

特捜部Q―知りすぎたマルコ/JA-オールスン

特捜部Q―知りすぎたマルコ (ハヤカワ・ミステリ文庫) ユッシ エーズラ・オールスン (著) 吉田 薫 (翻訳) 私がミステリーを好んで読むのは、作品により様々な個性がありそれに従ったプロット(構想)やストーリーがあるとはいえ、結局のところ「勧善懲悪」な…

特捜部Q Pからのメッセージ/オールスン

特捜部Q ―Pからのメッセージ― 〔上下〕ユッシ・エーズラ・オールスン (著) 吉田 薫 、 福原 美穂子 (翻訳) (ハヤカワ・ミステリ文庫) デンマークの警察小説でユッシ・エーズラ・オールスン作の「特捜Q―Pからのメッセージ―」のご紹介。 「―Pからのメッセージ―…

イン・ザ・ブラッド/ジャック・カーリイ

イン・ザ・ブラッド ジャック・カーリイ 三角和代 (訳) (文春文庫) 【あらすじ】 刑事カーソンが漂流するボートから救い出した赤ん坊は、謎の勢力に狙われていた。収容先の病院には怪しい男たちによる襲撃が相次いだ。一方で続発する怪事件―銛で腹を刺された…

シスターズ・ブラザーズ/パトリック・デウィット

シスターズ・ブラザーズ パトリック・デウィット 茂木 健 (訳) 創元推理文庫 直木賞作家の東山彰良のおすすめ小説「シスターズ・ブラザーズ」をようやく読了。 フォーティナイナーズ(49ers)は、サンフランシスコのアメリカンフットボールチーム名としてつ…

黒猫・黄金虫/エドガー・アラン・ポー

黒猫・黄金虫 エドガー・アラン・ポー 刈田元司訳 旺文社文庫 BS-TBSの「林修・世界の名著」という番組で、又吉尚樹と芥川賞を同時受賞した羽田圭介が、エドガー・アラン・ポー(1809 - 1849)の「盗まれた手紙」を名著に挙げていた。この番組はゲストが選ん…

ゼロの焦点/松本清張

ゼロの焦点 松本清張 (新潮文庫) NHKBSで、「シリーズ・Jミステリーはここから始まった! 第1回「ただの“社会派”じゃない!~松本清張“ゼロの焦点”」を視聴。出演が笠井潔、小森陽一、橋本麻里、中村文則、華恵。読書についてはプロというべき5人が、松本…