#ノンフィクション、エッセイ
勝ちきる頭脳 井山 裕太 (著) ネットで囲碁を見ていたら、井山裕太の新刊本をプレゼントしていたので、間髪を入れずに図書館に予約してこのたび読了。 本書は囲碁の専門書ではなく、囲碁棋士としての心構え思考法、リスクの取り方やスキルの獲得方法や挫折の…
空海 高村薫 (新潮社) 《内容紹介 空海は二人いた。民間信仰に息づく弘法大師を含めると、つまりは三人か。劇場型宗教リーダーとして、国土経営のブルドーザーとして生き、死しては民間信仰の柱として日本人の心を捉えてやまぬ男。わが国の形而上学の基礎を…
見仏記ガイドブック みうら じゅん ・いとう せいこう (共著) 角川書店 今回ご紹介の書籍は、関西テレビ制作番組「TV見仏記」とタイアップした書籍「見仏記」をまとめたガイドブックです。 みうらじゅんといとうせいこうが、番組のために仏像を訪ねて旅を始…
潜入ルポ アマゾン・ドット・コム 横田 増生 (朝日文庫) Amazonの購入履歴を見ると、私がアマゾンで初めて本を買ったのは、「2003年6月6日」とある。買った本はガーデニング入門の本と家づくりの本だった。合計4830円の買い物だった。楽天で初めて買い物をし…
野坂さんの小説は「火垂るの墓」「アメリカひじき」を読んだくらいだったが、エッセイは何冊か読んだ。若いころから週刊文春や週刊朝日の連載コラムも毎週楽しみにしていた。「朝生テレビ」の重鎮でもあった。私の父親世代のお方で、私は平和主義者だった野…
やしきたかじんとその最後の妻さくらの闘病生活を描いた『殉愛』(幻冬舎)。著者は、百田尚樹。 「かつてない純愛ノンフィクション」とうたわれた同書は、32万部に達するベストセラーとなった。しかし、ノンフィクションにもかかわらず取材を敢行せず、一度も…
囲碁の力 石井 妙子 (洋泉社新書) 飽きっぽい私の目下のマイブームが囲碁。井山裕太4冠がマイブームでもある。 テレビの囲碁対局番組を(録画することが多い)、それを環境音楽のようにテレビで流している。私は囲碁を打たないし、よく解らない。なので、邪…
アンダーグラウンド 村上 春樹 (講談社文庫) 地下鉄サリン事件からちょうど20年の今日、2006年に記事にしたものを少し修正して再掲載。 『「これだけは、村上さんに言っておこう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける330の質問に果たして村上さん…
歌謡曲が聴こえる 片岡義男 (新潮新書) 1962年、大学4年時の夏休みを千葉の館山で過ごした片岡義男は、千葉からのフェリーの臨時便で竹芝桟橋に帰京した。その竹芝桟橋の特設ステージでライブで歌うこまどり姉妹と遭遇する。その時の心境を本書で片岡は以下…
わが天才棋士・井山裕太 石井 邦生 (集英社) 私は囲碁はほとんど理解できていない人間だが、よく囲碁の対局番組をみる。ニコ動の中継もよく見る。井山裕太がタイトルをとり防衛を何回か重ねてきた、ここ1年ほどのことである。 本書「わが天才棋士・井山裕…
知識人とは何か エドワード・W・サイード 大橋 洋一 (訳) (平凡社) サイードの「知識人とは何か」、長らく私の本棚に眠っていたのを、秋から朝目覚めた布団の中で少しずつ読み進めて、総選挙の投票日の前日に読了。 私は知識人ではない、名もなき小心者のブ…
絶望の裁判所 瀬木 比呂志 (講談社現代新書) Amazonの内容紹介より 裁判所、裁判官という言葉から、あなたは、どんなイメージを思い浮かべられるのだろうか? ごく普通の一般市民であれば、おそらく、少し冷たいけれども公正、中立、廉直、優秀な裁判官、杓子…
木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(上・下) 増田俊也 (新潮文庫) 単行本が2012年に上梓された。そのタイトル「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」にはっとさせられ、インパクトある表紙写真(木村政彦18歳の姿)に惹かれていた。厚いし高いし、そ…
センス・オブ・ワンダー レイチェル・L. カーソン 上遠 恵子 (訳) 新潮社 今日のgoogleアニバーサリーロゴは、レイチェル・ルイーズ・カーソン(1907年5月27日 - 1964年4月14日)の生誕107周年を祝すもの。 レイチェル・カーソンは、アメリカ合衆国のペンシ…
センター試験:国語の平均点は過去最低 小林秀雄で苦戦 毎日新聞 2013年02月07日 18時45分(最終更新 02月07日 21時30分) 先月実施された大学入試センター試験で、国語の平均点が過去最低になったことが分かった。 これまでの最低点は03年の101.08点…
私とは何か 「個人」から「分人」へ 平野啓一郎 講談社現代新書 いやな上司を前にした自分は、そのことを悟られないように作り笑いなどでごまかし殻に閉じこもる。 いっぽう、週末にしか会えない恋人と過ごす時間はとても楽しくて開放感にあふれている。 恋…
ヴェルディ 椿姫 (音楽之友社 オペラ対訳ライブラリー) 図書館貸し出し過去最高 2012.10.31 文部科学省は31日、平成22年度に全国の小学生が図書館から借りた本が1人当たり26・0冊で、昭和49年度の調査開始以来、最も多くなったとする社会教育調査…
ザ・ベリー・ベスト・オブ「ナンシー関の小耳にはさもう」100 (朝日文庫) 「週刊朝日」の伝説的連載「小耳にはさもう」。ブラウン管のかなたに去ったあの人、今も活躍中のこの人に対する容赦なきコラムに、極め付きの一瞬を刻んだ消しゴム版画スペシャルバー…
小澤征爾さんと、音楽について話をする 小澤 征爾・村上 春樹 (著) 新潮社 小澤征爾は、ボストン交響楽団の音楽監督を1973年から2002年まで29年間務めた。 ボストン交響楽団は、夏にはタングルウッドというボストン郊外の避暑地で音楽祭を開催していて、 そ…
「夜と霧」 ヴィクトール・E・フランクル 池田香代子 訳 みすず書房 <<昨年1年間に自殺した人が3万513人だったことが10日、警察庁のまとめでわかった。3万人を超えるのは14年連続だが、前年より1177人減っており、2年連続の減少になった。 20…
自己啓発の名著30 三輪 裕範 (ちくま新書) 週刊朝日の書評欄でレギュラー評者の中沢孝夫が推薦の新書、 「自己啓発の名著30」。 本来は「自己啓発」という言葉でスルーする私だが、 「『この夏の一冊』を手に入れるために」中沢はこの新書を読めという。 …
10歳の放浪記 上條 さなえ (講談社文庫) 「お父ちゃん、明日はご飯を食べられる?」―昭和35年、10歳の著者は父と共に東京・池袋でホームレスとして暮らしていた。健気に生きる少女を支えてくれたのは、貧しくも心優しい人々だった。40年以上も胸に秘めてき…
日本でいちばん大切にしたい会社 坂本 光司 (あさ出版) 本書の第1部で、著者は「会社経営とは『5人に対する使命と責任』を果たすための活動」 であると規定する。 5人とは、1社員とその家族、2外注先と下請企業の社員、3顧客、4地域社会、5株主、…
マイルス・デイビス自叙伝〈1、2〉 マイルス デイビス 、クインシー トループ (著), 中山 康樹 (訳) (宝島社文庫) 1973年に2度目の来日を果たしたマイルス・デイビス、 その公演の模様は、NHKがほぼリアルタイムで放送したのであった。 その放送を見…
週刊朝日の連載コラム、小倉千加子の「お代は見てのお帰りに」。 小倉は、そのコラムで4週くらい連続して佐野洋子のことを綴っている。 今週発売分の小倉の「お代は見てのお帰りに」の副題は、 「佐野洋子さんが語った人生で一番幸福な抱擁」。 佐野洋子自…
できそこないの男たち 福岡 伸一 (光文社新書) 映画「夫婦善哉」の、森繁久彌と淡島千景が演じるところの男女を見ていると、 確かに男は「できそこない」にしか見えない。 NHKのBSのに「いのちドラマチック」という、生命科学バラエティ番組があり、 時…
この街に住め! ~「生活コスト」で選ぶタウンガイド~ (マイコミ新書) SBIライフリビング株式会社生活ガイド.com (著) 数年前になるが、仕事で必要になって自治体の格付けをしたことがある。 総務省がインターネットで開示している市町村の財政状況や、 経済…
総員玉砕せよ! 水木 しげる (講談社文庫) 昭和20年3月3日、南太平洋・ニューブリテン島のバイエンを死守する、日本軍将兵に残された道は何か。アメリカ軍の上陸を迎えて、500人の運命は玉砕しかないのか。聖ジョージ岬の悲劇を、自らの戦争体験に重ねて活写…
そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります 川上 未映子 (講談社文庫) 芥川賞作家、http://blogs.yahoo.co.jp/tosboe51/54248064.html 川上未映子のデビュー随筆集である。 今般、文庫になって再デビューした。 長いタイトルを略すと「そらすこん」とあい…
選ばれる男たち 女たちの夢のゆくえ 信田さよ子 講談社現代新書 ときおり朝の駅前で見る光景。 信号のない横断歩道の前で白い車が停車し、 40歳代と思しき小柄の女性が車の助手席から降り立ち、 車の前を通って目の前の横断歩道を小走りにわたる。 ここま…