遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

人生で一番幸福な抱擁/佐野洋子

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週刊朝日の連載コラム、小倉千加子の「お代は見てのお帰りに」。

小倉は、そのコラムで4週くらい連続して佐野洋子のことを綴っている。

今週発売分の小倉の「お代は見てのお帰りに」の副題は、

佐野洋子さんが語った人生で一番幸福な抱擁」。


佐野洋子自身が語った言葉で、彼女への追悼文を締めくくっている。

短い言葉で、なんと大きな自分物語を語るのかとうなってしまう。

ひたすら感動した。

最後に、この佐野の言葉を持ってくる小倉も偉い。


「100万回生きたねこ」はおろか、私は佐野の著書を何も読んでいない。

佐野洋子の何かを読もうという気になった。



     「私の人生で一番必死だったのは、

     息子が保育園に行ってた時よ。

     4時までに迎えにいかないと

     女の園長先生に叱られるの。

     園長先生はすんごく怖いのよ。

     走って保育園に行くと、

     息子も走ってきて二人でがばっと抱き合ってオイオイ泣いたのよ。

     毎日よ。

     あの感触が私の一番幸福な記憶よ」