遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

万博を中止して葛飾北斎の「富嶽三十六景」を買い戻せ!

美術手帖」オンラインによりますと、葛飾北斎の「富嶽三十六景が20年ぶりにクリスティーズのオークションに出品されるそうです。

アメリカ西海岸のコレクターからの出品だそうで、予想落札価格は300万ドル〜500万ドル(約4億5000万円〜7億5000万円)とのこと。

富嶽三十六景」は1830年から1833年の4年間の間に作成された46点からなる木版画の作品で、その46点がセットでオークションに掛けられます。

上の画像は、日本では知らない人がいない、日本の絵画のなかでおそらく国際的にもっとも有名な「神奈川沖浪裏」です。「赤富士」の通称で有名な「凱風快晴」もそれに次ぐ作品です。

オークションは、2024年3月のアジアアートウィーク期間中にニューヨークで開催される予定だそうで、それを前に、コレクションの世界ツアーが予定されています。

東京(11月13日〜14日)を皮切りに同作品の世界ツアーが実施され、香港(11月25日〜12月1日)、パリ(12月8日〜12日)でも全46作品が一挙に展示されるそうです。

オークションで買えなくとも、すべて揃った「富嶽三十六景」を東京で見るだけでも幸せになれそうです。

願わくば、日本の美術館やどこかの誰かがオークションで落札してくれて、日本に買い戻して、どこかの常設会場で全作品を展示してくれれば、多くの人が幸せになります。

浮世絵版画は、初摺(しょずり)作品がプレミアムだとか、初摺の版木で摺られた復刻版とか、さまざまなバージョンがあるようですが、今回の出品作品はおそらく初摺のセットではないかと思います。

いずれにせよ、46点が一挙にそろって出品される機会はそうそうあるものではないと思われますので、九リースティーで予定されている同作品のオークションは貴重な機会であります。

日本国・文化庁も、このオークションに参加してみればいかがでしょう。大阪万博を中止して、「富嶽三十六景」を落札した方が100万倍有益で皆が幸せになると思います。

同作品の予想落札価格の300万ドル〜500万ドル(約4億5000万円〜7億5000万円)なんて、万博費用から見れば落札楽勝の金額です。

然るべき場所に富嶽三十六景」が一挙展示されていれば世界中の観光客にも幸せになってもらえますが、文化庁の皆さまいかがでしょう。

それこそ、真の「万国」博覧会ではないでしょうか。

 

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