先だって、将棋の叡王になった藤井聡太三冠が叡王戦のスポンサー(藤井自身のスポンサーでもある)である不二家のマークをバックに記者会見をしていましたが、そのマークが上のものです。
1961年にフランスのレイモンド・ローウィ(1893-1986)がデザインしたお馴染みのFマークで、アルファベットのFの筆記体をデザインしたものです。
いまどきの中学生や高校生は、アルファベットの筆記体が読めないようなのですが、この不二家のFの筆記体は認識できるのでしょうか。
私はきょうまでFマークは単純に不二家のFだと思っていたのですが、Familiar(親しみやすい)、Flower(花)、Fantasy(夢)、Fresh(新鮮な)、Fancy(高級な、かわいらしい)という5つの意味も表現しているようです。
Fがつくいい言葉を探してきたような感じもしますが、そういえば藤井聡太三冠もFマークですね。それはともかく、60年経ってもおしゃれでスマートなFマークに、デザイナーローウィの底力を感じます。
ローウィは、1952年には、日本のタバコ「ピース」のパッケージもデザインしていました。戦後間もない平和を希求するわが国に、オリーブの葉をくわえた平和の象徴・黄金のハトのデザインをプレゼントしてくれました。
タバコはともかく、ピースのデザインも戦後日本のデザインの象徴ともいえる斬新で清新なものだと思います。
レイモンド・ローウィは、そのほかラッキーストライクやナビスコのパッケージ、セル石油のロゴや、ジャガーEタイプの車体デザインなど、数多くのデザインを手掛けています。