遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

立憲民主は党内「閣議」で党員や支持者を無視した維新との共闘を画策しているのでは?

立憲民主党と維新の会が臨時国会での「共闘」を背後に連携を深めているというニュースが心に引っかかったままで、いま国会を眺めている立憲支持者も多いことでしょう。

最新のニュースでは、維新の福岡の女性市議がライバルを貶めるためにそのライバルになりすまして「偽ビラ」を配布していたという不祥事があり、当の維新の市議は昨日辞職しました。

腐った頭の政党には腐った議員が多いのか、このような不祥事は、本家の大阪維新の地元関西をはじめ後を絶たないのが現状ではないでしょうか。

統一教会問題で大騒ぎの中、どさくさにまぎれて立憲民主党は党内「閣議」で党員や支持者を無視した共闘を画策しているのではないでしょうか。

毎日新聞によりますと、
立憲民主党日本維新の会が、臨時国会での「共闘」を背景に距離を縮めている。25日夜には立憲の泉健太代表、維新の馬場伸幸代表ら両党幹部が東京都内で会食し、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題の追及などで今後も連携を強化していくことを確認した。
 関係者によると、会合は立憲側が打診し、立憲からは泉氏のほか岡田克也幹事長、安住淳国対委員長が、維新からは馬場氏と藤田文武幹事長、遠藤敬国対委員長の計6人が参加した。両党代表ら幹部がそろう会食は初めてという。》とあります。

維新に「庇を貸して母屋を取られる」ことにもなりかねない共闘について、立憲支持者の疑問にていねいに説明する必要があります。まるで、自民党統一教会の「共闘」のようで、めまいがしてきます。

立憲の強力な支持者である千葉商科大の田中信一郎は、連続ツイッターで(以下に全文載せました)提言をしてくれました。この提言にきちんと答えることができて支持者を納得させることが出来れば、「説明がつく」ということでしょう。

以下に田中が言うように、「立憲民主党と維新の会の国家方針を足して二で割ることは、かつての自民党の国家方針とほぼ同じになり、細川政権民主党政権希望の党騒動の教訓を学習していないことを意味します」ということになり、要するに、立憲と維新の共闘は国会内限定で、綱領無視の憲法改正は論外だし両者で選挙協力はしないと明言する必要があるということでしょう。

もし説明がつかない事態になれば、立憲民主党は幹部が退陣しないと、また無垢の市民が置いてきぼりを食うことになります。

田中 信一郎 @TanakaShinsyu
これから当面の政党政治は、国家方針で一致する政党ブロックの間で争われると考えています。すなわち、複数の大政党が目指す社会像等を明確にし、それを受け入れた小政党とブロックを形成するものです。

既に、自民党公明党とそうした政党ブロックを形成して20年を超えます。国家と成長を名実ともに重視する自民党の国家方針を、公明党は受け入れた上で、党独自の個別政策の実現を図っています。小泉、安倍、菅の各政権は、自民党の国家方針を全面的に打ち出す一方、福田、岸田政権は曖昧にしています。

野党はこれまで憲法等を「守る」連携を行なってきましたが、昨年の衆院選から立憲民主党の国家方針に基づく関係に踏み出しました。すなわち、自民党とは異なる社会を「創る」ブロックです。しかし、現在も新しい関係を展望する考えと、過去の関係に終始する考えが入り混じり、明確にできていません。

とはいえ、共産党社民党は、いったんは立憲民主党の国家方針(綱領)を受け入れたのですから、その他の政党とは異なる関係性にあります。一方、維新もれいわも立憲民主党の国家方針を受け入れていません。よって、関係を詰めるのは、より難しくなります。そうでないとすれば、綱領を軽視しています。

わたしは、国会で非与党ができる限り連携すべきと考えますし、立憲民主党の国家方針を受け入れる政党とは、幅広く連携し、関係を強化すべきと考えます。しかし、それには維新が都構想やカジノ等の新自由主義政策を改め、れいわが消費税廃止等を条件闘争しないことが前提です。

国会連携を超えて政党ブロック形成に向かうならば、国家方針に基づくことが必須です。立憲民主党と維新の会の国家方針を足して二で割ることは、かつての自民党の国家方針とほぼ同じになり、細川政権民主党政権希望の党騒動の教訓を学習していないことを意味します。ですから、綱領が重要なのです。

丁寧に読めば誤解しないと思いますが、「立憲民主党共産党と連携すべき」との主張ではありません。「立憲民主党が掲げる国家方針(綱領を政府の基本方針とすること)に同意する政党とブロックを形成すべき」との主張です。共産党社民党が同意できないならば、ブロックを組むことは野合となります。

岸田政権が行き詰まっているのは、自民党が掲げる国家方針を曖昧にし、全方位から支持を得ようとしたためです。おそらく安倍政権であれば、統一協会(教会)問題もここまで炎上しなかったでしょう。なぜならば、安倍政権が統一協会と連携することは、政権の国家方針(社会像)と適合していたからです。

国家方針(≒綱領)は政党によって異なりますが、当面の政権運営をどの政党の国家方針に基づいて行うかは、異なる綱領であっても同意できます。実際、公明党自民党の国家方針に同意して20年以上です。与党・野党の第一党が「公器」である理由の一つは、綱領がほぼそのまま国家方針になるからです。

国家方針で一致するのでなく、思惑だとか、幹部の仲の良さだとか、あいつが気に食わないだとかで一致し、政党ブロックを形成することが古い政治であり、有権者の支持を失うポイントです。それは、自民党の派閥政治だけでたくさんです。野党も同じならば、元祖・本家・老舗の自民党に勝てません。

繰り返しますが、国会というフィールドでは、非与党をできる限り連携させることが野党第一党の務めで、議会制民主主義に資する行為です。しかし、選挙を前提にした政党ブロックは、そうではないのです。むしろ、一定規模をもつ政党が「この指とまれ」とそれぞれ国家方針を掲げて、形成するのです。

以上の連ツイは、以下の尾辻かな子さんの疑問に対する応答(わたしの考え方を示したもの)でもあります。立憲民主党の執行部は、尾辻さんたちの疑問に真正面から応える責任があります。

 ↓昨日の泉代表の記者会見(問題のある個所の抜粋・字幕付き)