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あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

藤井聡太7連勝/名人戦・順位戦C級2組

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12月7日は、将棋の名人戦順位戦藤井聡太のC級2組の一戦をAbemaTVにてネット鑑賞。(画像左が藤井聡太、右が高野四段)

名人戦順位戦はA級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組とに分かれ、1年に10戦を消化し、参加棋士の勝敗により、それぞれのクラスで昇級や降級が決まる。

藤井聡太は今年度4月から順位戦のC級2組で初参加。

順位戦は考慮可能時間が両者各6時間持ちで、朝10時から始まり昼食と夕食休憩をはさんで熱戦は深夜まで続くことが多い。

ありがたいことに藤井の順位戦はAbemaTVが、その一部始終を中継してくれる。解説者に男性棋士が3人と女性棋士が2人が出演し、5人が入れ代わり立ち代わりで1日中解説をしてくれる。

7日の対戦は、朝10時から始まり、日付の変わる深夜12時近くまで続いた。

中学三年生にして、いくらプロとはいえ、いくら将棋が好きとはいえ、藤井聡太は集中を切らすことなく将棋盤の前に座り続けることに驚いてしまう。食事は早々に済ませてきて、休憩時間中もじっと将棋盤に集中している。4月以降毎月、彼の順位戦はほぼ一日中継を見ている。当方は好きなように気楽に見ているのだが、彼の仕事ぶりに感心を通り越して感動すらおぼえる。

住まいのある愛知県瀬戸市から対局の行われる大阪か東京へ前日に移動して、当日10時から将棋を指して、その日は現地に宿泊して翌日自宅に帰るのが順位戦の藤井の行動パターンだろう。他にも持ち時間の長短さまざまな棋戦を戦っていて、日帰りで自宅に帰れる棋戦は半分にも満たないと思う。

全国に300万人ほどいる中学生の中で、藤井はおそらくナンバー1のプロフェショナルだと思う。中学生だということを別にしても、総ての職業人のなかで、目の前の自分の仕事に、あれくらい真剣に取り組んでいる人間がどれくらいいるだろう。

7日の順位戦は、終盤、解説陣がアッという好手を指して勝利を引き寄せ、順位戦を7連勝で飾った。残りは3戦。目下のところ7勝0敗が2人、6勝0敗が1人で、藤井がトップを走っているが、1敗組も多くいて予断を許さない状況で年越しとなる。
【第76期名人戦順位戦 C級2組 7日現在成績】

それにしてもAbemaTVはいつまで藤井聡太を追っかけてくれるのだろうか。5人の解説棋士たちへのギャラも発生しているのに。まさか、藤井がA級に上がり名人に挑戦するまで追いかける、なんてことがあるのだろうか。

ほかのタイトルをいくつか獲得しているだろうが、彼が最速で“名人”になるのは、2022年の春である。(2018年度C級1組→2019年度B級2組→2020年度B級1組、2021年度にA級で一位になり2022年度初めに名人挑戦して栄冠を手にするという道順になる。)