遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

藤井聡太五冠が名古屋対局場でA級初戦を勝利し、楽しい将棋の夏が始まりました!


昨日は、将棋連盟の名古屋対局場のこけら落としで、地元の藤井聡太五冠のA級順位戦が行われました。

名古屋に対局場が設けられたのは初めてのことで、藤井聡太五冠など東海地区に住む棋士たちにとっては対局日の当日に自宅から通うことができる夢の対局場の完成となりました。

これまで東海地域の棋士は、東京か大阪の対局場近辺で前泊(局後に後泊の場合も多々)する必要がありましたが、名古屋での対局の場合は当日に自宅から通えることとなりました。

名古屋対局は年間で100局程度予定されているそうで、全国の各棋士は東京・名古屋・大阪の3つの対局場へ移動して対局することとなり、移動する距離は従来に比べて確実に少なくなることになります。

今年度、順位戦の頂点の10人が属するA級にまで上り詰めてきた藤井五冠ですが、これから3月まで9名の最強棋士たちと渡辺名人への挑戦権をめぐってリーグ戦を戦うことになります。

昨日のその第一局は、将棋連盟の会長にしてA級の棋士である佐藤康光九段との対局でした。

対局内容は、後半少し藤井に優位に傾いたところで、藤井五冠がうかつな一手を指して、佐藤九段が粘りを見せる展開になりましたが、藤井五冠が残りの時間をうまく使って何とか勝利を引き寄せました。

名古屋対局場での記念すべき初勝利は、藤井聡太五冠が達成しましたが、A級残りの8局もすべて勝利して、史上最年少名人(今年度挑戦権を得ることがワンチャンスの条件)をめざして渡辺名人に挑戦したもらいたいと願っています。

以下が現時点での、A級順位戦の星取表です。スケジュール(対戦相手、先後の手番、8局と9局の対局日など)がすでに決まっていますが、藤井五冠は名古屋での対局が六局予定されているそうです。


また、いまタイトル戦真最中の「棋聖戦五番勝負」では、挑戦者の永瀬王座が充実していて、藤井棋聖は厳しい対戦が続いていますが、第2局は苦しいなかすごい手を連発して勝利し、対戦成績を1勝1敗のタイに戻しました。

そして、6月28日からは天敵とも言える豊島九段を挑戦者に迎え「王位戦七番勝負」のタイトル戦が始まります。

来月には二十歳の誕生日を迎える藤井五冠ですが、いつにも増して暑い夏を乗り切る試練が待ち受けています。

ということで、私には楽しい将棋の夏になりそうです。