今年のノーベル化学賞は、吉野彰氏が受賞することになりました。まことに喜ばしい受賞です。
吉野さんはリチウムイオン電池を発明した科学者で、主に旭化成などの民間企業で研究をされてきました。
出身は大阪の吹田市で、1948年(昭和23年)生まれ。北野高校から京都大学へ進学され大阪大学で博士号を取得された、団塊世代の大阪人の秀才エリートの典型のようなお方です。
リチウムイオン電池は、1980年代から開発され、今や世界中の人たちにスマホなどで実用化されている、私たちの生活になくてはならないものです。
もし、吉野さんの開発が遅れていたとしたら、携帯電話はいまより大きくて重くて電池の消耗も早くて使い物になっていないでしょう。電動自転車も電気自動車もまだ存在していなかったかもしれません。
吉野さんは受賞が決まった後のテレビ局のインタビューで、「再生可能エネルギーで発電して蓄電する世の中に早くなるべきでしょう」と話しておられたが、地球温暖化防止に貢献するのはまだこれからだという思いが伝わってきました。
太陽光や風力や地熱発電などで発電した電気を蓄える、安価な高性能の蓄電池をもっと広く普及させたいものです。
「自動車」と「蓄電池」で世界のトップを走る日本。にもかかわらず、電気自動車の開発が立ち遅れているわが国は、国を挙げて高性能で安い電気自動車を開発し世界に提供し地球環境の改善に貢献すべきでしょう。
くしくも、原子マネーの還流問題で関西電力幹部の辞任発表があった同じ日のノーベル賞受賞のニュースでした。
関電の八木誠会長は京大工学部出身で吉野さんの1年後輩、社長の岩根茂樹は京大法学部出身で5年後輩。同年代で同じ大学を卒業して同じ民間に居て同じ電気を扱っていて、こんなにも明暗が分かれるのかという記者会見でした。
関電という独占企業にいて幹部に上り詰めれば経営能力がなくても汚い金が懐に流れ込んでくる浅ましい人間の見苦しさとは比較にならないほど、さわやかな吉野彰さんの笑顔笑顔の記者会見でした。おめでとうございます。