遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

カノン/NODA・MAP公演

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  NODA・MAP第8回公演 「カノン」 
   大阪・近鉄劇場  2000年4月~5月

 夢の遊眠社の解散公演の際に、NODA-MAPの会員になっていたので、チケットはS席のみの先行予約で、ちょこっとの苦労でゲット。

 いつものように、私たちは土曜日のマチネを楽しむ。

 例によって、ストーリーは皆目憶えていない のだ-MAP。
   (一度この駄洒落を言ってみたかった。)

 芝居を見た翌日にブログを書いたとしても、どんな内容だったかを伝えられるか、
あやしいも野田阪神。(大阪ローカルでしか通じないギャグで、申し訳ない。)
 
 出演は、唐沢寿明鈴木京香串田和美雨上がり決死隊宮迫博之蛍原徹須藤理彩等、
それと、もちろん野田秀樹

 唐沢と鈴木京香が、カッコイイのなんのって。
 「ナマ」唐沢と「ナマ」京香が、野田の戯曲を、朗々と謳い上げる。
 生の声は、ほんとに心に響く、二人は合格。

 野田は、言葉の持つ意味を大事にしているのだろうけど、
 でも、言葉の響き方に最も工夫をしていると思う。

 唐沢と京香の立ち姿も、立ち回りも、美しくって合格。
 鈴木京香ってこんなに綺麗だったっけ、足あんなに長かったっけ。

 串田のおじさんの足元が心もとないだけに、主演の二人が引き立つ引き立つ。

 野田の演出する、「動き」は、自然でカッコイイ。

 私が役者で、今、同時に次の仕事のオファーが来たとする。
   1.山田洋二が監督の映画の主演
   2.NHK大河ドラマの主演
   3.野田の戯曲の舞台の主演

 私は迷わず、3を選ぶ。もし、3が蜷川幸雄なら、優しそうな山田洋二を選ぶが。

 とにかく、舞台できちんとできる役者は、あとは何が来ても怖くないだろう。
 「白い巨塔」の唐沢の下地は、三谷幸喜や野田に鍛えられた舞台が造ったのだろう。
 チケット8000円は、高くないゾ。

 いつものように、帰り道で客の反応を確かめる。

 「あたし、宮迫が出るから観に来たんやけど、なにこの芝居~。かっこよすぎるやん。」
 
 確実に一人、吉本のファンが消滅したと思しき発言を、私は耳にしたのであった。