遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ペットを売買しない「パピーミル撲滅運動」

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近くのホームセンターに立ち寄れば、必ずペットコーナーに行って犬や猫やハムスターや小鳥や熱帯魚を訪問して愉しむことにしている。

彼らは、値段が付けられ売買されているペットである。犬や猫は1匹で数万円から10万円以上する。

昨年だったか、150万円以上のトイプードルが出店されていて驚いた。あんなに高価な犬を飼っても死にやしないかと心配で楽しめないと思うのだが、あゝあれは子どもを産ませるための投資対象なんだという結論に至った。あの犬を購入して、ブリーダーを始められるのだろう。

いま、国内の犬猫の年間販売数は85万匹にも達するようだが、小遣い稼ぎに犬やネコを繁殖する俄かブリーダーが多く誕生しているようだ。

犬は血統書付きで売買されてきた歴史があるが、最近のネコブームにより、ネコもペットショップで取引高が増えてきたそうで、都道府県で差はあるようだが、比較的緩い規則で犬や猫の販売業やブリーダーが認められる。

その影響もあって、流通過程で年間に死亡(死産を含まない)する犬猫は2万5千匹を数えていて、ペットバブルの犠牲となるかわいそうな動物も増えてきているという。

一方、欧米では「パピーミル撲滅運動」がはじまって久しい。

不衛生や虐待を伴う「パピーミル(子犬工場)」と呼ばれる悪徳繁殖業者が後を絶たないことから、たとえばカリフォルニア州ではペットショップで犬猫を売買することが州法で禁じられているのだ。

血統を重視する個人で運営する優良なシリアスブリーダーから譲ってもらうか、あるいは、公的機関で保護された犬や猫をもらい受けて育てる方法でしかペットを飼えない法律を制定したのだ。

初めてこの法律のことを聞いたときは耳を疑ったが、なるほど日本でも悪徳ブリーダーのニュースをよく見るにつけ、その行きつくところがペットを売買しない「パピーミル撲滅」運動なのかと納得した。

YouTubeで、拾ってきたかわいそうな猫を長年かけて大きく育てた記録映像をアップしているお方がいるが、観るものを楽しませるだけでなく動物愛護の観点から彼らは良いことをしているのだ。ペットショップの店頭にいる買い手がつかない高価な犬猫より、拾われたり殺処分を免れて保護されて大事に育てられている犬猫の何と幸せそうなことか。

犬も猫も飼うことが叶わないわが家だが、小さな猫を拾って帰ったらそれは偶然で動物愛護なので大丈夫のような気がするのだが、どうだろう。

それにしても、犬猫を虐待するどころか、わが子を虐待する(人間の)親の存在はどうしたものだろうかと心を痛めている。動物虐待もネグレクト(育児放棄)も、複雑な世の中を象徴する一つの問題であろうという気もする今日この頃である。