遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

シルバー人材に子どもたちを託す

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父親に虐待を受けていると小4の女子が答えているアンケートに基づいて、その父親を「指導・説得・注意」?するために会いに行った市教委のメンバーが、父親に恫喝されてそのアンケートのコピーを父親に渡したのだという。逆上した父親は、その後、虐待し続けていた小4の娘を遂には殺害してしまった。

「父の恫喝に屈した」市教委がアンケート渡す 小4死亡

このことの顛末を初めて知ったときは、市教委の対応に憤りを覚えた。一市民として実に腹立たしいし、むなしいやら情けないやらで、泣くに泣けない心境である。

しかし、冷静になって考えてみると市教委も教師も忙しいのだろうなと考えを改めた。一人で対処できる能力にも限界があるだろうとも考えた。「いじめ」の実態を把握するためのアンケートを実施して、その結果処理を市教委が引き受けていたのだろうか、ご苦労なことだという思いに至った。

凶暴なペアレンツはいつの時代にも存在しているのだから、複数の要員で行動して、脅迫されたり恫喝されたらいったん退避して、学校長や弁護士や警察などと相談する事案として処理すべきであろう。

担当者を無能だと切り捨てるのは簡単だが、いじめられたり虐待を受けている子どもたちを守ることが本線なのだから、いかようにも作戦会議は立てられたと思う。もちろん、人員も予算も必要だから難しいことなのだが、世には貯えや年金で暮らせている学識経験者や警察OBや元教師などがいるので、喜んでボランティア活動として作戦部隊となってくれると思う。

「シルバー人材」の持つキャリアやノウハウや度胸や技術は大変なものだと思う。今の現役より有能かもしれない。一流大学を出ていても、テストで点数が取れるだけの能力では、恫喝には耐えられないだろう。

私の住むご近所でも、通学道路の警備や交通整理、学童のお世話や本の読み聞かせ、図書館の運営などにシルバー世代がご活躍中だ。

シルバー人材を敬って協力を仰げば、予算や人員不足は補えるような気がする。世の中が豊かになって、有能な政権が予算を下ろしてくれるまでは、有能なシルバー人材で繋いでいくことも考えていくべきだろう。何しろ、現役は忙しすぎるのである。