遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

デトロイト美術館展のゴッホ、モネ、ココシュカ

デトロイト美術館展 (大阪市立美術館 会期 2016年9月25日まで)の出品作のご紹介。今回で最終回です。

最終回ですので、大御所・真打登場ということで、3つの風景画のご紹介です。

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フィンセント・ファン・ゴッホ「オワーズ川の岸辺、オーヴェールにて」(1890年)。
ゴッホが自殺する直前の作品のようで、光り輝く全盛期の彼の風景画とは、あきらかに趣を異にさせる色使いです。しかし、タッチは力強く、ゴッホ独特の線条の絵具の置き方が、彼らしい作品でもあります。合掌。


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次は、モネの「グラジオラス」(1876年)。
ティーフは、彼の作品に多く登場する妻のカミーユと、庭のグラジオラスです。
色を作るためにパレット上で混色せずに、単色をキャンバスに置くことで、完璧な造形と色と光を表現するモネ。いまさらながら、何度見ても彼の多くの作品は後世にまで私たちを感動させてくれます。感謝。


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本邦初お目見えの作品だそうですが、この作家の作品は初めて知りました。
ドイツの画家だそうです。第一次世界大戦に従事し、帰郷してからはこのような簡略化した風景画をよく描いたようです。自然には存在しない原色を、例えば岸辺の強烈なオレンジや複雑な空の色などによる風景描写が洒脱で、今回の展覧会で最も惹かれた作品でした。