遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ボストン美術館展/京都市美術館

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            ↑ゴッホ《オーヴェールの家々》 (1890年)
 
大阪から涼を求めて京都へ行きました、というのは冗談で、

京都も大変な暑さで、私の車の計器に組み込まれた外気温計は、

42.5℃という、かつて見たこともない数値をはじき出していました。


ボストン美術館展、土日に行くと大変なことになると聞いていたので、

お盆にはせっせと仕事をして、その代わり本日休みを取って京都市美術館へ行ってきました。

名画のフルコースを堪能してきました、

エル・グレコレンブラント、ベラスケス、ヴァン・ダイク、コロー、ミレー、シスレーピサロ


などなど。


会場は満員盛況ながら、90%が女性客で、みなさん熱心でお静かで、

上品な雰囲気作りに一役買っていただきました感があって、とてもよかったです。

よく冷房が利いていまして、灼熱地獄と化した今日の京都とは別世界の、

まるでボストンにいるような(行ったことはないけれど)雰囲気の会場でありました。


私は、涼しげな印象派の風景画と、さすがと思わせるレンブラント肖像画に感動しました。

また、英国の肖像画の第一人者、トマス・ゲインズバラの「エドマンド・モートン・プレイデル夫人」

には、すっかり魅入られてしまいました。今日はじめて知った画家ですが、ファンになりました。


例によって、出口では図録や絵画の絵はがきなどの売店も盛況でしたが、

展示されていた油絵の、でこぼこ質感のある一見立派な額入り複製画が、

中サイズが49,800円!、大が228,000円!!で販売展示されていました。

売約済みの赤い●シールが貼ってありましたが、

何種類かの複製画、どれもとても売れていまして、

もっとも売れていたのは、ゴッホの「オーヴェールの家々」でした。

みなさん本物を見てきたばかりなのに…と、あの値段なのに…と、

こちらにも感心してしまいました。

ま10万人以上も来場しているから、そういう愛好家もたくさんいるわけですが、

それにしても、相変わらず日本の特別展はよく客が入ります。


胸が一杯になった展覧会をあとに、お腹も一杯にするために、

京都市美術館から歩いて10分(冬なら5分)ほどの細見美術館の地下にあるイタリアンで、

1500円のランチコースをいただきました。

偶然見つけたレストランでしたが、野菜たっぷりニンニクたっぷりのアーリオオーリオエ、

おいしくいただきました。京都の暑さに負けないような、スタミナ定食でもありました。


今日はボストン美術館展だけで精一杯でしたが、次回は細見美術館をメインに、

またやってくるつもりです、伊藤若冲横山大観が待ってくれていますので。