遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ため息の「頭弁帖」「離洛帖」/藤原佐理

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藤原佐理(ふじわら の すけまさ/さり 944-998 )は、平安時代中期の公卿・能書家。

「王義之から空海へ」の展覧会では、日本最古の詩懐紙「頭弁帖」(国宝)が展示されていた。これは、香川県ミュージアム蔵。 「懐紙」とは書道用語では漢詩・和歌などを一定の書式に則って書写したもののこと。本作品は平安時代の詩懐紙として現存する唯一の貴重な作品。

唯一もっとも古い懐紙なのだが、最上の文字で残っているのが素晴らしい。良いものしか先人たちは残してこなかったから、千年後の私たちはその喜びを享受できる。
書かれてから千年、幾人の人間に感動を与えたのだろう。私もその一人に入れてもらえて、幸せなことこの上ない。


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また、今回の展示にはなかった「離洛帖(りらくじょう)」(国宝)も素晴らしい。この作品は書の本場の中国でも評判の、日本が誇るまさにお宝であろう。私は本物にお目にかかっていないが、画像を見るにつけ、その筆遣いの奔放さと造形美に感嘆する。本書跡は、畠山記念館(東京)所蔵になる。

はー、ため息…。