「王義之から空海へ」の展覧会では、日本最古の詩懐紙「頭弁帖」(国宝)が展示されていた。これは、香川県立ミュージアム蔵。 「懐紙」とは書道用語では漢詩・和歌などを一定の書式に則って書写したもののこと。本作品は平安時代の詩懐紙として現存する唯一の貴重な作品。
唯一もっとも古い懐紙なのだが、最上の文字で残っているのが素晴らしい。良いものしか先人たちは残してこなかったから、千年後の私たちはその喜びを享受できる。
書かれてから千年、幾人の人間に感動を与えたのだろう。私もその一人に入れてもらえて、幸せなことこの上ない。
また、今回の展示にはなかった「離洛帖(りらくじょう)」(国宝)も素晴らしい。この作品は書の本場の中国でも評判の、日本が誇るまさにお宝であろう。私は本物にお目にかかっていないが、画像を見るにつけ、その筆遣いの奔放さと造形美に感嘆する。本書跡は、畠山記念館(東京)所蔵になる。
はー、ため息…。