遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

繰り返してはなりませぬ/天皇お言葉

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今日は天皇誕生日。仕事をしていた現役時代は、この年末の祝日はクリスマスプレゼントのようにありがたかった。

朝日新聞が伝える《戦後70年の今年を「様々な面で先の戦争のことを考えて過ごした1年」と振り返り、年々戦争を知らない世代が増えるなかで「先の戦争のことを十分に知り、考えを深めていくことが日本の将来にとって極めて大切なことと思います」と話した。》という天皇さんの記事、ありがたいお言葉と胸にしまいました。

毎日新聞のすばらしいデータベース「230万人はどのように戦死したのか」によると、

先の戦争の戦死者230万人のうち60%(140万人)が戦病死だったという。
戦闘や爆撃での戦死は40%(90万人)、飢えや病での戦死者の割合が60%(140万人)だったのだ。
兵隊たちをアジアの各地に送り届けたあと、食料や弾薬や薬などの輸送、つまり兵站(へいたん)のための輸送戦略をつぶされた日本軍は、結局餓死し病死してしまったのである。(戦略でも何でもない、兵站でさえ玉砕だったのだけど。)

アジアで丸腰の民間人を殺して戦闘に勝ったと勘違いをし、飢えと病気で戦わないまま死んでいった兵士がほとんどだったのだ。いつか食料が届くと夢見て死んでいったのだ(涙)。

今日の天皇さんの胸を詰まらせながらのお言葉、「民間の船乗り6万人と多くの民間船舶が犠牲になった」というのは、民間の船を動員して兵站を確立しようとしたが失敗をした軍部への批判である。同時に、今年法案が成立した戦争法は、後方支援の兵站を担当する法律だからリスクはないという政権への、痛烈な批判だと思う。

皆の幸せを願っている、愚かな戦争は繰り返してはならないと、天皇さんが仰せになっておられるのだ。すばらしいクリスマスプレゼントだ。