終戦から76年となった8月15日。全国戦没者追悼式が、東京都千代田区の日本武道館で開かれ、私はテレビで参加した。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、遺族の参列は過去最少の25都道府県、約50人だったようだ。
天皇は、戦後の平和に思いを致しつつ、「過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い」と述べられた。戦後70年の2015年に上皇さまが盛り込まれた「深い反省」を今年も踏襲された。
私の知り合い(77歳)は、戦死した父親を知らずに戦後を生きて来られた。お父様は農家に婿養子に来たお方で、戦争未亡人となられたお母様は亡くなったお父様の弟と戦後まもなく再婚された。
戦死した兄に次いで婿養子に入られた弟さんが、農家の大黒柱となって戦後を生きて来られたのだった。
それは、金銭で償えないほどの喪失だと知り合いの方は仰るのだが、お母様も継父も戦後産まれた異父兄弟たちもみな戦争の傷を抱えて戦後を生きて来られたわけで、私には想像を絶する悲劇なのだった。
戦争を繰り返さないことは、人間の力で可能になることを肝に銘じることが、戦没者の慰霊になると思うきょうこの頃である。 黙祷