遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

自宅待機しているコロナ患者の「救出劇」をいつ目にすることができるのか

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カブールに派遣された自衛隊輸送機

私たちが大反対したにもかかわらず強行採決された2015年制定の安保法案。

その中の有事の際に紛争地域に取り残された「海外邦人の救出」が、あの安保法案の目玉と言ってもいいものでした。

アフガンから米国が撤退することになって、アルカイダがアフガン全土を掌握する事態に至った今般、自衛隊がカブール空港の邦人を救出すべく中継基地であるパキスタンイスラマバードに輸送機を3機派遣していました。

しかし、現地の救出すべき邦人が500人と想定していたなか、実際に救出できたのは1人でした。自力でカブールの空港にたどり着けた日本人は1人なのでした。

すでに、現地の外務省関係者や派遣された自衛隊は、カブールから引き揚げたとNHKは伝えています。

www3.nhk.or.jp

結局、救出を想定していた邦人のほぼすべてが、27日の期限までに空港にたどり着けなかったようです。邦人500人は、JICAや民間の人たちのようですが、日本に居る関係者のご家族のことを考えるとなんとも言葉もないのですが現地の人たちの無事を祈るばかりです。

邦人救出に困難を極めるアフガン情勢ですが、一方で国内に目を転じると、コロナ感染したにもかかわらず医療崩壊により入院ができなくて自宅待機を余儀なくされている方々が数万人に上ります。その中で、命を落とされている方も少なくありません。

治療を受けられず自宅待機しているコロナ患者たち。彼らの「救出劇」を私たちはいつ目にすることができるのでしょうか。アフガンに取り残された500人の方々と全く同じ重さの生命の問題ではないでしょうか。ひとつの命の重さは同じはずです。

コロナ感染から1年半。いままでに、十分に時間もお金もあったはずですが、すでにタイムリミットは過ぎています。国内のこの問題を、どうすれば解決できるのでしょうか。だれに託すればいいのでしょうか、菅首相の言う「明り」はまだ見えていません。