S&P、日本国債1段階格下げ「経済好転の可能性低い」
米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は16日、日本の国債格付けについて、「AAマイナス」から「Aプラス」へと1段階引き下げた。
「デフレ脱却や経済成長をめざした政府の経済政策が、国債の信用力の低下傾向を今後2~3年で好転させる可能性は低い」として、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の効果が見込めないことを理由に挙げた。(朝日新聞2015年9月17日)
AAマイナスの国は、中国と韓国。日本は、それより1段階下のAプラスに格付けされた。S&Pが格下げにした主な理由をまとめると以下のとおり。
◆日本の借金(政府債債務残高)は、GDPに対して年5%以上の割合で膨らむ。
◆日本の財政状況が極めて脆弱(ぜいじゃく)であることは、重大な弱みである。
◆日本経済が今後2~3年で国債の信用力を好転させ改善する可能性は低い。
新アベノミクス(浜矩子いわく「アホノミクス」)では、2020年のGDPを600兆円にするという。(2014年度におけるGDPは約490兆円。)まさにアホノミクス的目標なのだが、もしそれが実現されたとしたら、「日本の借金は対GDP5%の割合で膨らんでいく」というS&Pの主張のとおりに推移すると、日本の借金(2015年6月末で1057兆円)はとんでもない数値になる。
たとえば国会の予算員会で、野党が閣僚のスキャンダルや金にまつわる不正を追求することは、見ていて楽しいが、お国の苦しい台所事情についてもっときちんと正すべきだと思う。事前にみっちり予習をして、委員会で未来の危機について「わかりやすい警鐘」を鳴らし、国民の関心を引き付けるべきである。