まさかの結果だった。いちばんまさかと思っていたのは、キャメロン首相だったと思うが、彼は辞職を表明した。彼の指導力を問題視する声もあり、そもそも国民投票の道を選んだのはキャメロンで、自らの言説で国民や離脱派を納得させることができず、じゃあ国民投票で信を問いましょう、と相成ったわけである。
ロンドン市長になったばかりのカーン市長は、パキスタン系のイスラム教徒であることから、私は英国人の懐の深さを見た思いがした。また、先ほど死亡した下院議員ジョー・コックスの事件は、残留派に優位に働くと思っていた。また、スコットランドの独立を問うスコットランドの住民投票でも、英国残留が多くを占め、英国の魅力を再確認させられた。なので、英国の国民投票の「EU離脱」という結果には驚いたし信じられない思いだった。
EUで英国だけが自国通貨(ポンド)だったことも、離脱へのハードルが低かったように思う。英国の離脱により、ドイツやフランスがコスト負担に耐え切れずに離脱に追随でもすれば、EUを中心に経済危機が起こるのかもしれない。EUを結束させるにもバラバラになるにも膨大なコストが発生し、経済危機に結びつくだろう。そしてまたもや、ギリシャやイタリアやスペインの財政不安がぶり返すことになろう。
まずは世界同時株安ということで、マーケットは混乱し始めた。
ということで、日本国内は円高株安で週末のマーケットは波乱に揺れ動いた。アベノミクスかアホノミクスか知らんが、国内だけで偉そうに経済政策だと言ってみても、ワールドワイドな大きな動きの前には、あまりにも稚拙で脆弱である。アホノミクスとはよく言ったものだ。
ところでこの世界同時株安で、また私たちの年金が溶けてなくなるのではないかな。ますますGPIFの収支状況が、早く知りたくなる。その一点に絞っても、選挙前に野党の追い風になるのではないだろうか。安倍自民党の参議院選挙の争点は、「経済」「景気」なのだそうで、この円高と株安だけでも大きなダメージがあるはずだ。
風が吹いてきた、野党の諸君がんばってくれたまえ。