遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

またもや「消えた年金」問題

イメージ 1

参議院選挙は終わり、国会がまだ開催されないというタイミングで、GPIFは年金運用が2016年度第一四半期(4~6月)で5兆円を超える赤字になっていると発表した。

内訳は左上画像の通りで、国内株式で2兆2574億円、海外株式で2兆4107億円、外国債券で1兆5193億円の赤字となっている。国内債券だけが9383億円の黒字となっている。

2015年度1年間での赤字(5兆円超)と合わせると、運用の株式比率を50%に変更してからすでに1兆円を超える累積赤字になった。運用しているGPIFは、25年くらいの長い目で見てくださいと、民進党の年金運用担当者に訴えていたが、この調子でいくと現在129兆7012億円の年金積立金総額は消えてなくならないとも限らない。

GPIFの言う25年ものスパンで見てほしい根拠は何なのか、株式運用はそんなの夢のあるものなのか。画像左下の言い訳、EUからのイギリス離脱が赤字の原因ではなく、リスキーな株式投資が赤字の原因だろ。おまけに自前(GPIFでのインハウス)運用したいようだが認めない。

アベノミクスの片棒を担いで、私らの積立金で勝手な真似をするな。お前ら何の責任も取らないくせに、他人の金でマネーゲームをするな。私は、従前から株式の比率を上げるなと言い続けている。結果を見てクレームをつけているわけではない。

そもそも大量に買ったり売ったりすることで、株価の値上がりや値下がりがあって、その都度、海外の素早くてずる賢い「ハゲタカ」どもに利益を持っていかれ、日本の爪も翼もないやさしき投資家たちのなけなしの虎の子が溶けてなくなっている。

積み立てた年金がなくなり、個人で投資した株式運用損が顕著になり、日本国民のダメージは計り知れないのではなかろうか。おまけに、日銀がどんどんETF(ほぼ株式だと言える商品)をこれまた兆円単位で買い付けて、アホノミクスを買い支える。

私たちの年金をなんと心得る。これは第二の「消えた年金問題」だ。