遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

縄文杉に会いに来た/屋久島

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愛川欣也の「パック・イン・ジャーナル」で出会った精神科医で元衆院議員の水島広子。私がツイッターのフォローする人物でもある。彼女の著書「女子の人間関係」が売れているとか。今日Amazonに見にいったら在庫切れだった。

それはともかく彼女の中2の息子君がすくすくと育っていてまぶしい。
水島広子のツイートより】
NYテロの日に生まれた息子(中2)は、やんちゃも勉強もスポーツも学級委員も一人旅(それも屋久礼文島)やキャンプへの参加も、親の私から見ていても羨ましい、頼もしく優しい存在です。友達を作る力も目を見張るほどです。

中2で屋久島や礼文島に一人旅するって、すごい男子。私の中2時代、バスで往復30㎞の隣町の書店兼文具店に出かけるくらいしかできなかった。
60歳を超えても、屋久島や礼文島に一人旅するには覚悟がいる。

先日、NHKの「ドキュメント72時間」は、「屋久島・巨木に集う人びと」というタイトルで、樹齢7千年とも言われる1本の縄文杉にカメラを据えて、そこを訪れる人をとらえた番組だった。

日本国内のトレッキングの人気コースの常に最上位にあるのが屋久島。番組で紹介された時期はちょうど春休みで、さすがに中学2年生の一人旅はいなかったものの、大人の一人旅は少なからずいた。
週末に思い立ってすぐにやって来て、縄文杉を仰いで、とんぼ返りで東京に帰っていった外資系の証券会社30歳の若者。進路に悩んでいて、もやもやを吹っ切るために一人でやって来た20歳の女子大生。

なんだか胸に一物ぶら下げてきて、縄文杉に出会って感動してすっきりして帰っていく人たちを、カメラはクローズアップしていた。一人旅の人や、さまざまな組み合わせのグループが山道を登って太古の杉に会いに来る。

奈良のお目当ての仏像に会いに来て、柔和な顔や体や腕や指に、心が澄んでいくのを確認して帰っていくのによく似ている。「ドキュメント72時間」では、そういった聖地がよく取り上げられる。
たとえば、日本の最北端・宗谷岬、恐山、24時間営業の大衆食堂、会社帰りに立ち寄るおでん屋、コスプレが存分にできる専用ビルなどなど。これら聖地に行けば、いつでもこんがらがった神経細胞がほどけていく。
まあ、仏像でも太古の植物でも、釣り上げられる魚でも癒されるその対象は何でもいいのだけど。

日本画家の堀文子は「花の画家」と言われるほど、植物を好んで描いている。動物と異なり、一カ所にとどまり風雨にじっと耐えて生きる植物に感動を覚えるという。

私もいつか縄文杉に会いに行きたい。