遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

「街の声」に震えあがり「御触書」

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TBSのニュース23に出演した安倍首相。番組内で、アベノミクスを実感できないという「街の声」に「(恣意的にTV局が)選んでいる、おかしい!」と安倍首相はブチ切れ。私は一般人の感覚は真っ当で、それを素直に取り上げたTBSだったと思うが、総理は「報道が偏重している」と逆上。

そもそも時の総理がニュース番組にやってきて、「よいしょ」ばかりの気持いいことだけで終わるはずがない。街を行く人たちの、「アベノミクスの恩恵を受けていない」という声は、大方の国民の声を代表する「公正」な意見だと思う。
首相は、国民の疑問にその場で答える機会をもらっているだけまだまし。そのチャンスを安倍首相は活かせていなかった。どちらかと言うと、イメージを悪くしてしまった。まったく想像力のかけらもない食えない宰相だ。

さらに輪をかけて、自民党は在京テレビ各局に「選挙時期に一層の公平中立な報道」を求める文書を出していたことが判明した。
「御触書」は以下の通り
1.出演者の発言回数や時間を公平にする
2.ゲスト出演者の選定についても中立公平を期すこと
3.テーマについても特定の出演者への意見が集中しないよう公正を期すこと
4.街角インタビューなどの映像で偏った意見にならないよう公正を期すこと

この文書の影響だからか、「朝までテレビ」に出演予定だった荻上チキや小島慶子が急きょ出演取りやめになったという。天下のテレビ朝日がそんな弱腰では、今後の他局の姿勢も推して知るべしである。

かつて、安倍晋三中川昭一NHKに乗り込んで、放送前のEテレのドキュメンタリーにクレームをつけ、それに応えたNHKは番組を4分間カットして放送した。(詳細は「安倍 中川 NHK」で検索されたい)
安倍首相は、NHKに影響を与えるべく、自分の息のかかった会長や経営委員をNHKに送り込んでいるが、それこそ「おかしい!」ではないか。「公平中立な報道」が聞いてあきれる。

政権政党が、批判されるのは当然で、それができなくなれば「ナチへの道」を突き進むことになる。自民党の中には、安倍をテレビに出させるなと言う声もあるという。私は生まれてこの方、選挙で自民党には1票も入れたことのない国民だが、自民党員や党支持者の方に、あの総裁を辞めさせることをお考えになった方が国のためになると申し上げたい。