遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

日本国債の格下げと初めての投信

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日銀の異次元の金融緩和のおかげで、預金金利は限りなくゼロに近い状況が続いていて、もうじき年金生活者となる私としては大変な時代に定年を迎えたことになる。預金の指標金利となる長期国債(10年)の金利も0.4%台というとんでもない利率。個人向け国債(10年変動)に至っては0.29%。
何がアベノミクスじゃ、騙されてはなりませぬぞ若い衆。

格付け会社ムーディーズは、このたび日本の国債の格付けを1段階引き下げた。格付けランクの上から4番目の「Aa3」から5番目の「A1」に1段階引き下げた、と発表した。これで、中国、韓国の国債ランクより1段階低くなった。消費税率の再引き上げの延期などで、財政赤字の削減目標が達成できるかどうか、「不確実性が高まった」というのが格下げの理由で、おっしゃる通りだと言うほかない。

さらに、ムーディーズはこう言っている。
安倍晋三首相が掲げる中期的な経済の成長戦略についても、「デフレ圧力の下で、実施のタイミングと有効性が不確実だ」とし、疑問符を付けた。
こうした状況で、日本銀行が2%の物価上昇率の目標を進めれば、いずれ国債利回りが上昇(価格が下落)して政府の借り入れ費用がさらに上がり、財政の持続可能性が下がると判断した。】

消費税増税を先延ばしにした、あるいは財政支出の改革が行われていないことで、財政赤字の削減目標が遠のいたことに対する評価である。「景気は徐々に上向いており、2020年に財政赤字を解消できる」とする安倍首相の公約とは真反対のムーディーズの評価である。

ということで、次女の関係者に頼まれて作ったNISA口座を利用して、生まれて初めて投資信託を購入。いつか買うかもと切り抜いておいた週刊誌の投信特集記事を頼りに、グローバル株系とグローバル債券系の投信を50万円ずつNISAのリミット(1年に100万円)までインターネット利用で購入。

一応、「株と債券」「国内だけではなくグローバルな投資先」ということで、リスクを分散・軽減したつもり。もちろん預金も複数の金融機関にあるので、リスクを分散できている。
私のような貧弱な金融資産でも、株や為替の値動き、債券の値下がりや債務不履行ペイオフ(銀行破綻)などのリスクを何とか軽減しなくてはならない。せめて年3%くらいの定期預金金利がほしい。(死ぬまで実現は無理だと思う。)
これで、ただでさえスズメの涙ほどの年金支給額が下がっていけば、老後の不安はますます募るばかりである。「積み立てた年金をいますぐ全額返せ」と、叫んでみる。

一方、お若い衆で持ち家がまだな方は、今の低金利のうちにローンを組んでおいてマンションや一戸建てを購入されるのもいいかと思う。ネット銀行だと住宅ローンの変動金利は、0.5%台にまで下がってきている。変動だから将来金利が上がっていくリスクもあるが、その上がり方を何通りか想定して、金融機関に返済金の増え方や返済期間の延長をシミュレーションさせる。そうしてみると、仮に金利が上がっていっても意外と返済は大したことがないような気がする。それほど今の金利は、低い水準であると言えよう。

いずれにせよ、国債を買うより、借金をして不動産を買う方がリスクが低いかもしれない、という体たらくの金融政策なのである。