遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

ローカル路線バス乗り継ぎ人情ふれあい旅

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真夏の朝早いバスは、鳥海山の5合目を目指していた。眼下には象潟の美しい田園風景が車窓いっぱいに広がる。象潟を認識したのはこれが初めて。
「青森から新潟~ローカル路線バス乗り継ぎ人情ふれあい旅」(つい先だって再放送)での一コマ。(画像は象潟の夕景)

奥の細道」で、松尾芭蕉鳥海山と象潟を訪れる。おそらく多くの人たちがこの地を「奥の細道」の中に見出したと思われる。

かつては「潟」だった象潟は、200年前の地震によって地盤が隆起し、今は田園地帯になっている。そのことも知らなかった。芭蕉が生きていまの光景を見たら驚愕するかもしれないが、水田の中に小島が残る風景を見て、また一句浮かべるかもしれない。

テレビ東京の「ローカル路線バス乗り継ぎ人情ふれあい旅」では、こんな美しい風景との出会いもたまにはある。
6年前に番組が始まって、不定期に15回の放送回数を重ねる番組。内容は、バスのローカル線をどう乗り継いで目的地にまでたどり着くかといった、太川陽介(54)と蛭子能収(66)とゲストの女性タレントの苦労旅が描かれている。

地図を読んで、バスのルートの検討をつけて、案内所や運転手さんに直接確かめて、バスに乗って、バスを乗り換えて、バスが途切れているところはひたすら歩いて、腹が減ったら食事をして、日が暮れたら宿をとる。そんな3人を追っただけの行き当たりばったり旅がとても楽しい。
この国のローカルな人柄や土地柄の温かさが伝わってきて、旅人たちにはとてもつらい旅だろうが、見ている視聴者にはそれが単純に楽しい。

私は、この「ローカル路線バス乗り継ぎ」の旅は、「番組名録画」で地上波もBS放送も再放送まで丸撮りして何回も楽しんでいる。

象潟から鳥海山への路線、いつかカメラを持って朝早いバスに乗ってみたい。