アンリオ夫人/ルノワール
ピエール=オーギュスト・ルノワール 「アンリオ夫人」(1876年頃)
ワシントン・ナショナル・ギャラリー展(京都市美術館 会期:~11月27日(日))から、
今日ご紹介するは、ルノアールの作品。
この作品の美しいモデルは、さぞかしセレブリティなのだろうなと思っていたら、
買い求めた図録によりますと、アンリオという舞台女優で、
まだあまり売れていない、アルバイトでモデルをしている女性だったようです。
ルノワールは、作品として11点の彼女を残しているようで、
1870年代のお気に入りのモデルだったようであります。
柔らかい素材のコスチュームは、簡潔に描いていますが、
もっと柔らかい表情の顔は、念入りに描いています。
そのことにより、鑑賞者の目線を顔に集めることを企んだようです。
そんな企みとは無関係に、この女性の魅力的な表情に虜になってしまいます。
ルノワールも私と同じ思いだったのでしょう。
この作品は彼女にささげられたようで、亡くなるまで彼女の元にあった作品だそうです。
この作品の前でも、多くの時間を費やした私でした。