遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

やさしい「画家当てクイズ」4題

突然ですが、デトロイト美術館展 (大阪市立美術館 会期 2016年9月25日まで)の出品作からクイズです。

下の2作品を描いた画家をお答えください。

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正解は、左がポール・セザンヌ、右がポール・ゴーギャンです。

セザンヌの作品は「サント=ヴィクトワール山」(1904-06年頃)で、セザンヌの故郷のこの山は、彼の作品中最も多く取り上げられたモティーフ(題材)でしょう。彩色した面を組み合わせたような描写は、後世にピカソなどが確立したキュビズムの先駆けといえる技法です。この技法もセザンヌも、私は大好きであります。

ゴーギャンの作品は「自画像」(1893年)です。タヒチに渡っていた彼がフランスに一時帰国したころの作品だそうです。帰国して開いた個展の評判は今一つだったようで、この自画像はさえない表情にも見えます。それにしても彼は自画像が多い作家ですね。モデル料がなかったか、自己顕示欲が強かったかのどちらかでしょうが、おそらく後者でしょうね。


もう一つ、もっと簡単なクイズ、下の2作品を描いた画家をお答えください。

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正解は、左がルノワール、右がモディリアーニです。

ルノワール「座る浴女」(1903-06年)。球体のような裸婦を色の組み合わせと濃淡で描いていますが、ルノワールのライフワークのひとつになったモティーフでしょう。柔らかい女性像と言えば、ルノワールですね。
ところでクレパスなどの「肌色」という呼び方は、いろんな肌の色が存在することから不適切だとして、最近は「うすだいだい」「ペールオレンジ」と名付けられているそうです。ルノワールの描く「肌」はすごい色の組み合わせですから、別の意味からも「肌色」がなくなってもいいと思います。

モディリアーニ「女の肖像」(1917-20年)。これがいちばん新しい作品ですが、それでも描かれて100年ほど経っています。モディリアーニの人物像は、だいたいこういう表現ですが、アフリカの木彫りの人形やお面に強く影響された作風で、本作はそれでもかなり人間的な表現になっています。ルノワールと比べると、モダンアートという感じがします。

ということで、もし一問も正解できなかったお方がいらっしゃれば、それはそれで充実したお幸せな生活をしていらっしゃるということで、うらやましい限りであります。