遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

3時間台で完走するマラソン/金哲彦

イメージ 1

 
3時間台で完走するマラソン まずはウォーキングから 金哲彦  (光文社新書)


10月に第1回目を迎える「大阪マラソン」に、エントリーした元部下。

残念ながら5.5倍の競争率に勝てずに、レースに参加することがかなわなかった。

フルマラソン2万8000人の定員に対し、なんと15万5000人の応募があったという。


かつては市民ランナーだった私、元部下に先輩面をして、大阪マラソンに当選したら、

シューズの選び方練習方法や走法やストレッチや食事の摂り方などを伝授してやる、

と約束をしていた。そんなときに、何かの書評だったかで、この本を知った。

先輩面はやめにして、元部下にはこの本を紹介することにした。


書店では、Qちゃんの師匠の小出監督の著書と肩を並べて平積みにされていた。

著者は、ランナーなら誰でも知っている金哲彦、

1964年生まれで、早稲田大学時代は箱根の山登り区間スペシャリストだった。

現在は、ランニング関連のNPOを主宰し、

ラソンや駅伝のテレビ解説者として、そのさわやかな声をよく耳にするお方である。


タイトルは「3時間台で完走するマラソン」となっているが、

「~まずはウォーキングから」というサブタイトルにもあるように、

「マラソンをはじめるための」1冊と言ってもいい。


私は日常的な練習は、ジョギングで1時間程度走るだけで、

ペース走やインターバルなどの本格的な練習の代わりに、

市民レースなどに多く出場した。

フルマラソンの本番へ向けて、10キロ程度の大会は、

シリアスな練習を兼ねて、たくさんのランナーと楽しく走るいい機会だった。

食事や休養やストレッチにも気を使ったが、この本には、

経験の浅い市民ランナー向けに、必要な事はすべて網羅されている。


東京マラソン大阪マラソンだけがマラソンではない、

探せば必ず出場できるレースはあるはずだ。

しかし、完走できるかどうかはその限りではない。

この1冊で、正しい知識をベースに、独自の練習法を確立されたい。

この本ともっと早く出会っていたら、私も3時間台で走れたはずなのに…。


最後に目次を紹介して、内容の濃さをご紹介する。

まえがき
 フルマラソンとはなにか
 三時間台で走るということ

第一章 プロダクツ
 まずはシューズとウェア選びから

第二章 フォーム
 無駄のない、効率のよいフォーム
 体幹を使う
 悪いフォーム
 ウォーキングでフォームを固める

第三章 レース・マネジメント
 レース当日のすごし方
 有酸素運動無酸素運動
 ペース配分の重要性
 肝心なのは最初の一〇パーセントの入り方
 乳酸をためない
 わずかなダッシュが脚にくる
 喉が渇く前に給水
 空腹を感じたら

第四章 レース中の痛み―レース・マネジメント2
 わき腹が痛くなったら
 腰が痛くなったら
 ヒザが痛くなったら
 足首周辺が痛くなったら
 マメがつぶれたら

第五章 トレーニン
 生活習慣のなかで基礎体力をつくる
 まずはウォーキングから
 ジョギング
 LSD
 ウインドスプリント
 ペース走
 クロスカントリー
 距離走
 ファルトレック
 インターバルトレーニング
 トレーニング計画のつくり方

第六章 ボディケア
 トレーニングのしすぎは禁物
 いわゆる「調整」とは?
 「完全休養」と「積極的休養」
 慢性的な痛み
 ケアの仕方1――アイシング
 ケアの仕方2――ストレッチ
 ケアの仕方3――マッサージ

第七章 ダイエット
 体重は軽いほうが速く走れる
 ダイエットのためには、最低三〇分程度の練習が必要
 脂肪を燃やすコツ
 こんなトレーニングでは逆効果

第八章 栄養
 身体は食べたもので形成される
 食事で治癒する身体
 カーボローディングの考え方

あとがき