遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

上を向いて歩こう/山崎ハコ

 
作詞:永六輔、作曲:中村八大
 
1961年のNHKの「夢であいましょう」で、
今月の歌として発表され、発売され大ヒットした「上を向いて歩こう」。
歌ったのは、もちろん坂本九
彼は川崎の出身で、小学生の私は、
彼のおかげで、神奈川県川崎市の存在を早くから知っていた。

永六輔と中村八大の史上最強コンビの、最強の名作だったのに、
「黒い花びら」や「こんにちは赤ちゃん」はレコード大賞を取ったのに、
上を向いて歩こう」は大ヒットしたにもかかわらず、レコード大賞はもらえなかった。
黒澤明の「七人の侍」が、
その年のキネ旬のベストワン映画にならなかったのと似ている。

1963年6月には、ビルボードやキャッシュボックスで全米1位!!!に輝き、
年間でもその年のビルボードのベスト10にランクインしたヒット曲であった。
海外で認められて、あらためて国内で見直されたのも「七人の侍」と似ている。

この曲のイントロ、マリンバトレモロが流れると、
あの頃にタイムスリップし、ふわっと懐かしさが胸に広がる。
昭和30年代は、いろいろ大変なことがあり、激動の10年間だったが、
希望に満ちた素晴らしい10年間でもあった。

で、「上を向いて歩こう」の動画は、坂本九ではなくて、
誰かのカバーを紹介しようと聴き比べた結果、
山崎ハコに登場願うことにする。
誰が歌ってもいい歌なんだけど、郷愁と夢を感じる歌い方で、
山崎ハコがいいと思ったのである。

ベートーベンのピアノ協奏曲5番と、合わせてお楽しみいただきたい。
中村八大は、洒脱でユーモアがあってオリジナリティもあって、
名ピアニストで、素晴らしい作曲家であることを、再確認願いたい。
 
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