永六輔さんの追悼記事に続いてご紹介しようとしていた、彼の作詞した名曲です。
1960年の少し前から、永六輔と中村八大が世に送り出した新しいうたは、日本のポピュラーミュージックの草分け的存在でした。
■黄昏のビギン(1959年) ちあき なおみ 作曲:中村八大
この歌は、水原弘のために書かれた歌らしいのですが、本家の歌は知らなくて、ちあきなおみのCMソングで初めて認識しました。でそれが六輔・八大コンビの作品と知って驚きました。この二人の作品の持つ時代を超えた温かい包容力のようなものにいつも感服してしまいます。ちあきなおみの歌うこの歌はItunesでも手に入りません。
小学校低学年だった私はこのドラマがとても好きだったことを記憶しています。それは出演者が有名なお姉さんやお兄さんだったから、ドラマの舞台が東京のモダンなオフィスだったから、そしてこの主題歌が印象的だったからだと今になってそう思います。
■上を向いて歩こう(1961年) 坂本 九 作曲:中村八大
マリンバで演奏されるごく短いイントロまで素晴らしいと思います。ベートーベンのピアノ協奏曲第五番「皇帝」のメロディーに似ているとの伝説がありますが、確かに、八大さんのお茶目なパロディーだと思います。八大さんはピアノ弾きですから。
■遠くへ行きたい(1962年) 渥美 清 作曲:中村八大
もともとはNHKの「夢で逢いましょう」で生まれた歌。ジェリー藤尾の歌唱でヒットしたが、旅番組「遠くへ行きたい」のテーマソングでいろんな歌手に歌われてよりメジャーになった気がします。日本のどんな風景にも似合う透明感が素晴らしいですね。渥美清の「遠くへ行きたい」が一番悲しい歌でしたよ。
■女ひとり(1965年) 一青 窈 作曲:いずみたく
いずみたくと作り上げた「にほんのうた」シリーズも、多くの名曲があり、いまだに歌い継がれています。
オリジナルのうたはデュークエイセスですが、「池の水面」を「いけのみずも」と歌っている歌手が多くて使えませんでした。正しくは「みなも」。一青窈は歌唱があまりにも個性的すぎるのですが、「みなも」と歌えているのでご紹介します。