遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

関西味

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関西は朝から雪が舞う7日、正月用の餅はそろそろなくなりつつあり、

七草粥は今日これからいただく。


餅といえば、雑煮は関西では丸餅を白味噌仕立てでいただくが、

関東は、角餅を「お澄まし」で召し上がる。

白味噌仕立ては圧倒的にマイナーなようで、関西弁が使われる地域だけの習慣であるようだ。



「関西」を辞書で引いてみると

奈良時代鈴鹿・不破・愛発(あらち)の三関以西の地。のちに、逢坂(おうさか)の関より西の地域。

とある。

諸説あるようだが、一般的に逢坂の「関」より「西」の地域が、関西だったようである。

ちなみに関東は、当然に逢坂の関より東とある。

今、関西は近畿地方というもっと狭い地域の総称として使われる。



昨日の日経新聞では、エスカレーターの立ち位置についての特集記事があった。

関西では、エスカレーターの右側に立ち止まり、歩く人のために左側をあけておく。

この習慣もわが国ではマイナーなようである。

1970年の万博会場に、わが国ではじめての「動く歩道」がお目見え。

このとき、世界中のお客が混乱しないようにと、

動く歩道アメリカ式に左側通行の国際ルールに決まったという。

ほぼ同時期に、大阪梅田に動く歩道がつくられ、万博と同じく左側通行となり、

この左側通行の法則が、後の関西のエスカレーターでのお約束となったようである。

大阪のターミナル駅エスカレーターの左側に立って右側をあけている人を見ると、

どこからかお越しのお客様だとわかる。



「マロニー」という食品をご存知であろうか。

中村玉緒がCMで「マロニーちゃん」と呼びかける、

そのマロニーちゃんが、関西と関東ではまったく別人なのである。

画像はその関東版マロニーちゃんで、関西版マロニーちゃんとはまったく違う。

あまりカワユクない元祖マロニーちゃんでは関東では認知されないとかで、

「上品なカワユイ」キャラクターで関東にお目見えしたとか。



5日に亡くなられた日清食品の創業者安藤百福氏は、

ご存知のとおりインスタントラーメンの発明者でもある。

日清食品の「どん兵衛」のスープが関西味と関東味があるのをご存知か。

東洋水産の「赤いきつね」なども、東西でスープの味を違えて売られているという。

鈴鹿・不破・愛発(あらち)の三関」付近では、関西系のコンビニでは関西味が、

関東系のコンビニでは関東味が売られていて、両方の味が楽しめる地域のようである。



私の職場に出入りの業者さん達、

東京から大阪へ赴任した人に私は尋ねる、

都落ちして落胆しているかもしれない人への、元気付けの意味もあるが、

「大阪に異動の辞令をもらって、いやだったでしょう?」と関西弁でご挨拶。


「大学が京都(大阪)でしたから」「生まれが実は関西なので」

「父(母)親が関西出身なので」「小さい頃から吉本新喜劇をTVで観てましたから」

などと「(笑)」付で大丈夫だと応える人。


「関西」は中世の城砦都市のごとき閉ざされた存在なのだろうか。