今年最後の将棋の記事を書きます。有終の美はやはり藤井聡太五冠でしたが、間もなく彼は六冠になるかもしれないという話題その他をお届けします。
◆棋王戦
昨日行われた棋王戦挑戦者決定戦で藤井聡太五冠が勝利し、棋王挑戦者(タイトル保持者は渡辺棋王)に決定となりました。
藤井は「六冠」目の挑戦へ一歩を踏み出しました。
棋王挑戦者を決める最終戦は、敗者復活戦から勝ち上がった藤井とそれを待ち受ける佐藤天彦九段の決定戦になっていました。先に藤井が1勝して最終決戦に持ち込まれていましたが、最終戦も藤井の危なげない落ち着いた駒さばきで81手で勝利し、初の棋王タイトルに挑むことになりました。
渡辺明二冠(名人・棋王)は、棋王のタイトルを10年連続保持していて、実力もさることながらとても相性のいいタイトルですが、過去藤井に棋聖と王将の二冠を奪取されたこともあり、注目のタイトル戦となります。
棋王戦は2月5日の長野での第1対局を皮切りに、3月まで計5戦が行われます。
https://www.youtube.com/watch?v=VnoqJRPyFSU
◆王将戦
王将戦(7番勝負)は、藤井王将に羽生善治九段が挑戦することになりましたが、年明け早々の1月8日・9日に第一局を迎えます。
従来から「囲碁将棋チャンネル」が、王将戦の独占放送権を持っていて、CS放送と「囲碁将棋プレミアム」というネット配信サイトで有料でのライブ放送を実施しています。
しかしこのたび、Abemaテレビでもライブ放送されることになったそうです。1局について500円ほどの有料放送で、番組内容は「囲碁将棋チャンネル」のものをそのまま流すことのようです。
かねてから、囲碁将棋チャンネルの独占は問題があると思っていたので少し改善されたようですが、Abemaテレビで独自の番組作りで無料で見られるシステムが今後望まれます。王将戦の主催者である毎日新聞と日本将棋連盟ならびにスポンサー各社にはさらなる考慮をお願いしたいと思います。
藤井vs羽生という待ちに待ったゴールデンカードですから、多くの人にライブ観戦してもらいたいと思います。
◆プロ棋士編入試験
小山怜央アマが、11月から毎月1回のプロ棋士編入試験を受験中ですが、現在2勝0敗と好成績を残しています。
小山アマの試験対局相手が、四段とは言え強烈に強い新鋭たちだったのですが、彼らをものの見事に退けてプロになるまであと1勝に迫っています。
今年は、里見香奈女流棋士も編入試験に挑みましたが残念な結果になっていましたが、仕事もやめ退路を断って挑戦してきた小山アマにはこのままプロになっていただきたいと願っています。
次は1月20日に、関西将棋会館で狩山幹生四段との第3局が行われる予定です。