遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

クリスマスイブのデビュー戦からまる6年、藤井聡太五冠が通算300勝を達成!

藤井聡太五冠(竜王・王位・王将・叡王棋聖、20歳)が公式戦で通算300勝を達成しました。昨日の名人・A級順位戦佐藤天彦九段との対局に勝利し300勝に到達しました。

2016年12月24日、今日と同じクリスマスイブにプロデビュー対局で勝利し(相手は加藤一二三九段)、日付が変わった2022年12月24日未明、奇しくもデビュー戦と同じクリスマスイブに300勝を達成しました。公式戦通算で300勝59敗。

昨夜の対局直後に、新聞記者から通算300勝の感想を求められて、そのことについて藤井はいったんやわらかくノーコメントにしました。

実は未放送の公式戦のテレビ対局の収録で2勝挙げていて、その2勝を含めて300勝を達成していたようで、そのテレビ対局に藤井が勝利したことが「ネタバレ」になってしまうので、いったんノーコメントにしたのでした。

そのシーンを見ていて、「あーっ」とネタバレが即座に私には伝わってしまいましたが、1時間余りの感想戦が終わった後に将棋連盟から許可を得られたということで、改めて300勝達成インタビューを受けていました。

そのあたりの気配り、テレビ未放送への配慮もしっかりできている五冠ですね。朝になって、キー局をはじめ多くのメディアで藤井の300勝達成のニュースが放送されていましたので、私も記事にしました。

300勝達成インタビューで、藤井は「2年前の200勝時点で200勝40敗で、その後の約2年間の戦績が100勝19敗なのでレベルをキープできてることが今後も励みとなる結果かなと思います」といったようなことを語っていました。

最年少で300勝到達はたしかに偉業ですが、直近の100勝を挙げた対局相手は限りなく最上位の棋士たちとの対局ですから、直近の100勝19敗(勝率0.840)は一人だけ次元の違う棋士がいるといったところでしょうか。

プロ野球で例えると、シーズン後半にさしかかった119試合消化時点で「貯金81」のチームと同じ現象ですですから素晴らしい。NBAでいうとマイケル・ジョーダンのいたシカゴブルズの1995-96シーズンの勝敗が当時のリーグ史上最高成績となる72勝10敗(0.878)並みのすごい勝ち方となっています。(比較が分かりにくいか...)

来週12月27日は、棋王戦(渡辺棋王)の挑戦者決定戦が藤井五冠と佐藤天彦九段(最近は天彦シリーズが続いています)の間で行われます。準決勝で佐藤天彦九段に負けて敗者復活戦を勝ち上がっての対局となり、これに勝利すると藤井五冠は6冠目の棋王への獲得をかけての挑戦者に決定します。

ということで、将棋のお楽しみはこれからだというクリスマスイブでありました。

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