昨日は、将棋の女流棋士里見香奈女流六段(30)・四冠(女流王座・女流王位・女流王将・倉敷藤花)が女性として初の快挙を達成するかどうかという将棋を午後の半日楽しみました。もちろん里見加奈の応援団として楽しみました。
夕刻、相手の棋士が脱いでいた上着を着て頭を下げ投了した瞬間、その快挙が達成されました。
その快挙の、一つは、女流棋士として初めてタイトル戦の決勝に出場を決めたことでした。
昨日の一戦は、棋王戦(タイトル保持者渡辺明)の予選トーナメントの最終戦で、最終戦に勝った里見は予選を勝ち抜いた8人のうちの一人として決勝トーナメント(藤井聡太など32名による)に名乗りを上げたのでした。
長い歴史を誇る将棋界で女性がはじめてタイトル戦の決勝に進出しました。すでに囲碁界では、10年以上前からタイトル戦の決勝ラウンドに進出する女性の棋士がいましたが、将棋界では初めての快挙でした。
そしてもうひとつの快挙は、女性としてはじめてプロ棋士編入試験を受ける資格を獲得したということです。
将棋界には、プロ棋士(男女の区別なし)と女流棋士が存在していますが、過去から現在に至るまでプロ棋士はすべて男性で女性にとっては越えられない高い壁が存在しています。
里見加奈は昨日の1勝で、直近のプロ棋士との対戦で編入試験の条件である「10勝以上かつ勝率6割5分以上」という条件を満たし、プロ棋士になる編入試験を受ける資格を得ました。
この条件は「プロ棋士との対戦」での要件ですので、女流棋士との対戦は除外され、男性ばかりのプロ棋士と対戦して「10勝以上かつ勝率6割5分以上」という条件を満たしたことになります。里見の直近の10勝をした間の勝率は7割1分(10勝4敗)という高い勝率でした。
過去に編入試験を受けることができたのは、花村元司(故人)、瀬川晶司(52)、今泉健司(41)、折田翔吾(32)のわずか4人で、それぞれ編入試験(現在は棋士になったばかりの5人と対局して勝ち越すことが合格の条件)に合格しプロ棋士として第二の人生を歩んでいます。
里見は昨日の記者会見では編入試験を受けるかどうかについては即答を避けましたが、将棋ファンはほぼ100%、史上初の女性プロ棋士誕生を待ち望んでいると思います。
西山朋佳をはじめ、他の女流棋士も彼女に続いて欲しいと思います。
余談ですが、昨日の対局で気付いたのですが、里見は対局ときどき中胡坐(あぐら)をかいていました。彼女は、普段の対局はパンツスーツで就活中の女子のような恰好をしていますが、彼女が胡坐をかくのは初めて見ました。女性だって足が痛くなるのは男と同じですから彼女の胡坐はなかなか新鮮で好感が持てました。
ということで、女流棋士だけのタイトル戦を戦いながら、プロ棋士のなかで唯一の女性として各棋戦に登場してほしいと私は思っています。彼女から始まる歴史が見たいと思います。