遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

王将戦の主催者である日本将棋連盟とALSOKと毎日新聞社は放送権をもっと開放せよ

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待ちに待った将棋の「王将戦」7番勝負がついに始まりました。

渡辺王将(三冠)に藤井竜王(四冠)が挑戦する今期の王将戦は、新年に相応しいビッグなタイトルマッチとなりました。

初戦はシーソーゲームの結果、「一手間違えば負け」の局面まで渡辺王将に追い込まれた先手番の藤井竜王が、精緻な寄せで勝利をものにしました。

https://mainichi.jp/oshosen/2022
https://mainichi.jp/oshosen/2022/schedule/

普通なら、「Abema TV」で観戦できるのですが、王将戦に限っては「囲碁将棋チャンネル」が放送権を持っているようで、放送を見られるのは有料契約者のみとなっています。

藤井聡太四冠がデビューして以来、いまや国技ともいえる将棋ですが、王将戦に限っては広く一般に放送が開放されていないという状況です。

私は、ケーブルテレビの「囲碁将棋チャンネル」で見ることができますが、この大一番を生放送で見ることができない人たちは少なくないと思います。

そんな中、YouTubeでの生配信で、王将戦のもようをAIによる評価値放送を実践してくれているチャンネルがあります。

冒頭の画像がその放送の画面(スクリーンショット)です。

配信しているのは「見る将パンダ」というチャンネルで、ご覧のように左画面で「dlsyogi」、右画面で「水匠5」というAIの評価値をほぼリアルタイムで生配信しています。

AI「dlsyogi」は、藤井四冠など将棋の棋士も研究で使用している無料ソフトだそうで、高性能のPCで使用するのに相応しいソフトのようです。

一方の「水匠」シリーズは、私も昔のバージョンをダウンロードしていますが、こちらも無料でダウンロードして使用できます。

権利の関係で対局の盤面は配信できないようですが(毎日新聞のサイトで盤面は閲覧可能)、YouTuberの「私設放送局」で将棋ファンはなんとか楽しめている王将戦であります。

王将戦のタイトルマッチである7番勝負のみならず、激戦の予選リーグの放送も将棋ファンはなんとか無料で観戦したいと望んでいると思われます。その証拠として、初戦の対局を終えた二人の「感想戦」(毎日新聞Youtubeチャンネル)を多くのファンが視聴しています。

www.youtube.com

かつては、プロの将棋を解説付きの放送で楽しめるのは、NHKの地上波の「NHK杯」だけでした。その後、CS放送のスカパーで囲碁将棋チャンネルが「銀河戦」を創設しました。

しかし今は、インターネットでライブの将棋が観戦できるという、ファンにとっては夢のようなことが実現できる時代になりました。とりわけ、対局室にカメラが設置され、タイトル戦のライブ放送が観戦できるという僥倖に接することができます。

にもかかわらず、王将戦にかぎっては、閉鎖的な運営がなされています。

王将戦の主催者である日本将棋連盟とALSOKと毎日新聞社は、他の棋戦と同じようにAbemaTVにも放送権を売るべきだと思います。あるいは、無料放送が可能な他のコンテンツに放送権を売るべきです。

放送権を購入した側はAbemaTVのようにスポンサーを見つけてペイできるはずですから、囲碁将棋チャンネルに独占させるべきではないと多くの将棋ファンは望んでいると思います。

ということで、放送を見るのは相変わらず不便な王将戦ですが、最長3月まで番勝負が続きます。